第二十三話 解放
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包囲せよ!」
バルマー軍はゴッチの指示のまま動きはじめた。しかしであった。
ロンド=ベルの動きは速かった。彼等の予想以上にだ。
「何っ!?」
「敵の動きが!?」
「速い!」
それが言葉にも出ていた。
ロンド=ベルは敵が包囲するよりも先にだ。まずはその右翼を攻撃したのだ。
「右に来ました!」
「敵が一丸となって!」
「くっ、ではだ!」
悲鳴めいた報告を聞きながらだった。ゴッチは指示を出した。
「右だ!右に戦力を集めろ!」
「は、はい!」
「わかりました!」
「包囲するのを察していたか」
ゴッチは指示を出してからそうして言うのであった。
「おのれ、考えたな」
「ではどうされますか」
「ここは」
「包囲は止めだ」
それはもう放棄したのだ。
「だが」
「このままですね」
「戦力を右に集中させて」
「正面から押し潰す!」
変更させた作戦はそれだった。
「数を背景にだ。いいな」
「はっ!」
「了解です!」
こうしてだった。バルマー軍はその数を背景に正面からの攻勢に出た。そうしてそのうえでロンド=ベルを押し潰しにかかったのである。
ところがであった。ロンド=ベルはそれに対してだった。
「よし、敵は一つのポイントに集まったぞ!」
「かかったな!」
こうそれぞれ言うのだった。
そしてだ。間合いを計ってだ。その間合いに入ったところで。
「撃て!」
「全軍ありったけの攻撃を撃ち込め!」
「容赦するな!」
指示が飛ぶ。そしてである。
ロンド=ベルの最初の総攻撃が仕掛けられた。それがだった。
バルマー軍の動きは止まった。完全にだ。
「何っ、この攻撃は」
「何だこの火力は」
「まさかここまでとは・・・・・・」
はじめて見るロンド=ベルの火力に呆然となっていた。
「我等の動きが止まった」
「どうする?」
「閣下、ここは」
「どうされますか!?」
「怯むな!」
ゴッチが言ったのは積極策だった。
「いいな、怯むな!」
「ではこのままですか」
「攻めるのですね」
「そうだ、数は力だ」
真実ではある。
「そしてだ。このまま再びだ」
「包囲ですか」
「それをですね」
「方法は幾らでもある」
ゴッチは決して頭の硬い男ではなかった。柔軟性も併せ持っていた。だからこそ今すぐに戦術を変換させてだ。攻撃を仕掛けるのであった。
「いいな、また囲む」
「攻撃を受けているそこを重点として」
「そのうえで」
「そうだ、敵が攻撃を集中させているならば」
その場合はというのだ。
「それを逆手に取る。そしてだ」
「援軍が来たならば」
「さらなる攻勢をですね」
「ワール司令からはどう仰っている」
そちらを確認することも忘れない。
「そして
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