第二十二話 グラドスの圧政
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リコンのその言葉に頷いた。
「下手したら本当にな」
「軍法会議にかけられてもおかしくなかったな」
「そういうことだ」
カクリコンの言うことはこのことだった。
「幸い色々あってな」
「俺達は不問で済んだがな」
そうした意味では確かに運がよかった。
「上層部の責任になったがな」
「俺達だって毒ガスを撒く作戦の指揮官だったからな」
ヤザンの顔が珍しく歪んだ。
「その責任はあったからな」
「しかしあんた達は」
カミーユがここで言ってきた。
「それに反対していたんじゃないのか?」
「確かに反対はしていたさ」
ライラがカミーユの言葉に応える。
「私等にしても軍人だよ。そういう作戦はやるべきことじゃないからね」
「俺達は戦うのが仕事だからな」
ジェリドも言う。
「それで毒ガス撒けっていうのはな」
「誰も好きでしたりするものか」
カクリコンはまた言った。
「だが。それでも指揮を執ったのは事実だ」
「それはですか」
「そうだ。その責任はある」
また言うカクリコンだった。
「それを問われても文句は言えなかった」
「我々にしろだ」
「それは同じだ」
ラムサスとダンケルも話す。
「その責任はあるからな」
「それはわかっていた」
「ジャミトフ=ハイマンやバスク=オムだけじゃないのか」
カミーユはそれを聞いてまた述べた。
「そういうことか」
「そういうことだ」
カクリコンはまたカミーユに話した。
「仮にも将校だからな」
「圧政者は敗れれば糾弾される」
エイジはこのことを心に刻むことになった。
「それじゃあグラドスでなくても」
「俺達もグラドスは大嫌いだがな」
ジェリドの言葉だ。
「連中だけじゃない」
「グラドスでなくてもか」
「そうさ、グラドスに限ったことじゃない」
ジェリドはエイジに対して話す。
「ああいう行動が問題なんだよ」
「だからグラドス人は処刑される」
「私等も撃つってわけだね」
ライラは簡潔に述べた。
「そういうことさ。たったそれだけだよ」
「よし、それならだ」
「それなら?」
「わかったな」
カクリコンの言葉だ。
「割り切ることだ。御前は御前だ」
「僕は僕」
「俺達はこれからもグラドス軍には容赦することはない」
カクリコンはそれは断った。
「しかしそれでもだ」
「僕はですか」
「御前はそういうことは絶対にしない」
それはもうわかっているのだった。
「だからだ」
「悩むことはねえからな」
ヤザンは笑って述べた。
「特にな。おめえはおめえなんだよ」
「じゃあこのままここにいて」
「帰れとか出て行けなんて言う奴はいないさ」
それは確かに言うジェリドだった。
「というか俺も個人的にな」
「個人
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