第十九話 シャピロの見えないもの
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「ああ、俺は別に気にならないから」
だがここでタスクが笑顔で言ってきた。
「そういうのはさ」
「気にならない?」
「別に?」
「ああ、そうさ」
笑顔はそのままだった。
「全然さ。だってさ」
「だって?」
「それはどうしてなの?」
「レオナが作ってくれるものだからさ」
こう言うのだった。
「それは何でも美味いさ」
「おっ、言うな」
「そうよね」
「まさに愛の告白」
皆そんなタスクの言葉を聞いて述べた。
「ここまでストレートな告白っていうのも」
「滅多にないし」
「タスクも案外隅に置けないっていうか」
「本当に」
「いや、それはさ」
タスクも言ってから気付いてだ。顔を真っ赤にさせてそのうえで反論する。
「まああれだよ。俺だってさ」
「それだったらいいけれど」
レオナにしてもその顔は真っ赤になっている。
「ただ。そういうことは」
「そういうことは?」
「できれば。誰もいない場所で」
こう言うのだ。
「言って欲しいけれど」
「悪い、つい」
「ええ。けれどね」
それでもだというのだ。
「嬉しいわ」
「おっ、レオナにしても」
「まんざらじゃないわね」
「そうね」
周りはレオナの真っ赤な顔を見てまた話す。
「いやいや、お熱いことで」
「遂に言葉で出て来たし」
「全く」
「おい、茶化すなよ」
すぐにタスクが言い返す。
「俺達は別にな」
「もう言っても無駄だから」
「言い逃れはできないわよ」
しかし周りは笑いながらまた言う。
「どうやってもね。わかったから」
「そうそう」
「いや、よくわかったから」
「うう、しまった」
「迂闊だったわ」
タスクもレオナも今更になって言うがもう後の祭りだった。
そうしてだ。苦い顔でそっと消えるだけだった。二人の完敗だった。
その彼等は順調に連合の勢力圏から去っていた。しかしであった。
「レーダーに反応」
「まさかと思うが帝国軍か?」
ジェオがザズに対して問う。彼等は今NSXの艦橋にいる。
「そこか?」
「ううん、バルマーじゃないみたいだね」
「そうか。しかし連合軍でもないな」
「あの連中も流石にここまでは進出していないみたいだよ」
ザズはそれも否定した。
「となると」
「あれか?プロトデビルンか?」
「ああ、この反応は連中でもないね」
「ではあれですか」
ここでイーグルも言ってきた。
「ムゲ帝国か。若しくは宇宙怪獣か」
「それかあれだな」
ジェオもまた言う。
「バッフ=クランだな」
「もう飽きたぞよ」
童夢からアスカが言ってきた。
「あの者達の相手は暫くよいぞ」
「ですがアスカ様」
「そうですぞ」
その彼女のサンユンとシャンアンが言ってきた。
「敵
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