第十六話 総力戦
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」
カズミもいて言う。
「はじめて会った筈なのに前に何処かで戦ったみたいな」
「それに」
話はさらに続く。
「イデオンのことを何処かで見たみたいな」
「その記憶があるのかしら」
「有り得ない筈ですよね」
ノリコはいぶかしむ顔でカズミに述べた。
「こんなことは」
「そうだよね。有り得ない」
タケルはビールを飲んでいた。そのうえで言うのだった。
「それに俺もロジャーさんとは何処かで」
「そうだな。パラダイムシティの外で出会っている」
ロジャーもタケルに対して応える。
「有り得ない筈なのにだ」
「他の皆とも何処かで会った記憶がある」
タケルはさらに言う。
「この世界とは別の何処かで」
「世界が複数ある!?」
「ひょっとして」
「それは有り得るな」
ロジャーはまた言った。
「私達もこの世界とは別の世界に来ている」
「あっ、確かに」
「それを考えたら」
「パラレルワールドだ」
ロジャーが話に出すのはこの話だった。
「複数の世界がありその中には私がいる世界があればない世界もある」
「修羅の世界もだな」
フォルカがその目を鋭くさせた。
「その中の一つか」
「俺達の世界もまた」
「その中にあった」
そしてアクセルとエリスも。
「それなら話はわかるな」
「確かに」
「デュミナスもそこから?」
「そうだね」
「そして私達も」
ティスにラリアー、デスピニスもお互いに話し合う。
「何かあたし達も他の世界じゃいなかったりするのね」
「そしてこうして皆と一緒にいたり死んでいたりするのかもね」
「それがパラレルワールド」
「私達の幾割かがいる世界もあれば誰もいない世界もある」
ロジャーはまた言った。
「そうした世界が無数に存在しているのだ」
「じゃああれですか」
ノリコはロジャーの話をそこまで聞いて述べた。
「私達は別の世界でコスモ君達と会ってるんですね」
「そのことを無意識に感じ取っているのだ」
そうだというのだ。
「そういうことだ。だが」
「だが?」
「何かがおかしい」
眉を曇らせての言葉になっていた。
「何かがだ。おかしい」
「っていいますと」
「どういうことですか?それは」
「私達はこれまで幾つかの世界を巡り知ってきた」
「はい、それは」
「確かに」
「しかしその世界全てが崩壊に瀕している」
言うのはこのことだった。
「シャドウミラーの世界も修羅の世界もだな」
「そうだ」
「その通りだ」
エリスとアルティスがそれぞれ話す。
「私達の世界だけではない」
「全ての世界がそうだとは思わなかった」
「全ての世界がそうだということが有り得るのだろうか」
ロジャーは自然に腕を組んでいる。そのうえでの言葉だった。
「偶然そうなるものだろうか」
「特異
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