第2試合
【第2試合】 VSノワールプペ(6)
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した。
そしてウィンクをしながら小首を傾げる。
『……弟よ……顔の表面と口の中が、どうにもこうにもムズ痒いぞ……』
『可愛いなあ、ルージュちゃん』
兄と弟の気持ちが複雑に織り混ざっている完全のマスクに見つめられながら、キン肉マンルージュは何かに気がついたように顔を上げる。
そしてうるうると目を涙でいっぱいにして、完全のマスクに言葉をこぼす。
「……わたし、どうやって帰ればいいの?」
『元の場所へは、私が戻してやろう』
「……戻してくれるの?」
『戻してやろう』
「……本当に?」
『本当だ』
「ホントにほんとッスル?」
『……? ……ホントにほんとッスルだ』
「ファイナルマッスル?」
『……?? ……ファイナルマッスルだ』
キン肉マンルージュは、ぱあッと輝かんばかりの笑みを見せ、ぴょこりんと飛び跳ねた。
「よかったッスル!」
キン肉マンルージュは手でハートを作り、完全のマスクに向けて突き出した。
そしてウィンクをしながら小首を傾げる。
『……弟よ……この甘ったるい、濃密な小娘臭のする雰囲気……私は耐えかねるぞ……』
『んふーッ! 可愛いなあ、ルージュちゃんわあ!』
しばしの沈黙が流れる。
『……どいつもこいつも……ぬええい! いい加減にせんか! さっさと元の世界へと戻れい!』
『どうしたの兄さん!? なんでキレちゃったの?!』
困惑する弟を尻目に、兄は逆ギレ気味に声を荒げ、カァッ! と強く光り出した。
するとキン肉マンルージュの足元に大穴が開き、キン肉マンルージュはその穴へと落ちてしまう。
「きゃわわわわわあああああぁぁぁぁぁ………………」
キン肉マンルージュの声がフェードアウトしていき、やがて聞こえなくなった。
『弟よ! さっさとキン肉神殿に戻るぞ! 今ごろ神殿では我らが忽然と消えてしまって、大騒ぎになっているに違いないぞ!』
『そうだね、兄さん』
――。
――。
――。
――光。
「………………ぁぁぁぁぁあああああッ!!!」
“カアアアッ!!”
突然リング上から、フェードイン気味の悲鳴が上がった。そして悲鳴と同時に、強烈な光が溢れ出した。
「きゃうッ! ま、まぶし……こ、これは一体?! ですぅ」
「プペッ! ま、まぶし……ど、どうしたことだ、これは!?」
あまりの強烈な光に、誰もが目をくらませてしまう。
「プペェ……この忌々しい気分が悪くなる光……まさか……」
「このピンク色の光は……マッスルアフェクションなのですぅ!」
人々の目をくらませていた光は、少しづつ弱くなっていく。そしてリング上に降り立
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