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西部の娘
第二幕その四
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第二幕その四

「父が亡くなった。そして私の許に残された遺産はその盗賊達だけだったのだ。私は彼等を率いて生きるしかなかったのだ」
 彼は自分の運命を呪って言った。
「こんな生活から一日でも早く逃れたかった。だが出来なかった。そして今もそうだ」
 ミニーは彼を黙って見た。
「私は確かに盗賊だ。だがこれだけは言いたい、ポルカに入ったのは決して盗む為じゃないんだ」
「じゃあ何の為に!?」
 ミニーは問うた。
「それは・・・・・・」
 ジョンソンは言葉を止めた。
「ほら、言えないのでしょう!?」
 彼女は冷たい声で言った。
「・・・・・・わかった、言おう」
 ジョンソンは再び口を開いた。
「貴女がいたからだ」
 ミニーはそれを聞いてジョンソンの顔をハッと見た。
「モンテレーで会った時から思っていた。もう一度会いたいと。そしてずっと捜していた」
「・・・・・・嘘なのね」
「嘘じゃない、そしてポルカに辿り着いたのだ。長い間捜し求めて」
「・・・・・・・・・」
 ミニーはそれを聞いて再び沈黙した。
「やっと会えた。だがそれも終わりだ。私はこの場を去ろう」
「・・・・・・ええ、出て行って」
 ミニーは言った。
「貴方は確かに何も盗んでいない。けれど私に嘘をついた、それだけで充分よ!」
 彼女は涙を流していた。
「早く出て行きなさい!そして二度と私の前に姿を現わさないで!」
「・・・・・・わかった」
 ジョンソンはその言葉に頷いた。そして扉に向かった。
 擦れ違う。だが二人は顔を合わせなかった。
 ジョンソンは小屋を出た。そして繋いである馬に向かった。
「吹雪も止んだか」
 彼は辺りを見回して言った。足下には雪が積もっている。
「出て行くには絶好の時だな」
 そう呟いて馬を解き放とうとする。
「やっと出て来たな」
 その彼を遠くから見る男がいた。
 ランスである。彼は帰るふりをして彼が小屋から出て来るのを待っていたのだ。
「落ち込んでいるな。どうやらミニーにも振られたらしい」
 彼はそれを見て笑みを浮かべて言った。
「だがそれも少しの間だ。今楽にしてやるからな」
 そう言ってライフルを構えた。慎重に狙いを定める。
 銃声がした。それは小屋の中にいるミニーにも聞こえた。
「まさか・・・・・・」
 ミニーはそれを聞いて顔を蒼くさせた。
「いや・・・・・・」
 だが彼女は頭を振った。
「そんなことあたしの知ったことじゃないわ」
 必死に思いを振り解こうとする。だがその時何かが小屋に当たる音がした。
「駄目よ・・・・・・」
 ミニーは再び頭を振った。
「駄目なのよ・・・・・・」
 だが気持ちまでは抑えられなかった。堪らなくなって扉を開けた。
「あ・・・・・・」
 ミニーは
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