TURN57 頭を撃つその四
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「いいな、そうするぞ」
「わかりました」
秋山も東郷の言葉に頷く。そうしてだった。
彼等はすぐにキャヌホークの乗る指揮艦に殺到する。それを見てガメリカ軍の将兵達は驚きの声をあげた。
「!?速い!」
「何だあの速さは!」
「太平洋軍はあそこまで速かったのか」
「あの速さでは」
彼等が想像だにしない速さだった。これは太平洋軍の水雷駆逐艦の尋常ではない索敵能力も影響していた。
彼等はソーラレイが動くよりも一足速く指揮艦の前に来た。そして。
一気に攻撃を加え行動不能にした。キャヌホークは完全に動けなくなったその指揮艦の中で呆然として呟いた。
「まさかこの時を狙って」
「太平洋軍はまさか」
「それを狙っていたのでしょうか」
「混戦しすぐにはソーラレイを撃てない様にして」
「我々がその混戦を嫌って分かれる」
キャヌホークがその指示、この場合は常道を取ることを見切ってだというのだ。
「そしてそのうえで」
「我々がソーラレイを放つ一瞬の隙を衝いて」
「一気に突進してですか」
「この指揮艦を攻撃したのですか」
「だとしたら恐ろしい奴だ」
キャヌホークも今は歯噛みするしかなかった。
「俺の指揮をそこまで読んでいるならな」
「これでソーラレイは使えなくなりました」
指揮艦が行動不能になった、それではだった。
「防衛要塞もです」
「守りがなくなりました」
「これではとても」
「艦隊だけでは」
実際に指揮艦を潰した太平洋軍すぐに反転してガメリカ艦隊に向かっていた、最早その動きは止められなかった。
キャヌホークはそれを見て苦々しい顔で呟いた。
「一瞬だったな」
「はい、勝敗は決しました」
「ゲイツランドの艦隊では太平洋軍を防げません」
「それではです」
「とても」
部下達も無念の顔で呻くしかなかった。
「敗北です」
「この戦いは」
まさに勝敗は一瞬だった、艦隊も防衛ラインが瞬時にして使えなくなりしかも指揮艦が動けなくなり彼等への指揮も混乱したところで呆然となったところを攻められてそしてだった。
「いくわよ!」
先陣のランファが戦艦からビームの三連射を放つ。その攻撃でガメリカ軍を切り裂いていた。
キャヌホークの言葉通り勝敗は一瞬だった。太平洋軍はゲイツランドでも勝利を収めこの星域を手に入れたのだった。
キャヌホーク達ガメリカ軍の殆どの将兵、僅かにUSJに脱出出来た者達以外は捕虜になった。ランファがその懐かしい顔を見て彼に言った。
「思わぬ再会よね」
「日本に降ったとは聞いていたんだけれどな」
二人共微妙な顔で話す。用意されたキャヌホークの部屋の中で。
キャヌホークはその顔でこうランファに言った。
「とりあえず俺と君はあれで自然消滅か」
「そうなったわね
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