第四話 混乱なの? 淫乱なの? どっちが好きなの?
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ッチが少ないのは変に意識してるからよね?」
「あやめちゃんが何度か押し倒されたって言ってたの」
「告白された時、普段は優しいのに一瞬でばっさりと振ってたし」
「あやめちゃんがオオカミさんのような目で見られてるって言ってたの」
「お泊り会とか提案しても渋るし」
「あやめちゃんが脱ぎながら誘惑されたって言ってたの」
あっ……うん。
なのはの理由は全部、私の冗談が原因ですね。よく考えたら私の姉は素直で、若干天然で、しかもアホの子でした。
「………………」
すずかの方を見ると、物凄い形相で私を睨んでいます。乙女がしてはいけない顔です。顔怖っ! すずか怖っ!
「あのね、アリサちゃんのは誤解だよ。なんでそう思ったのか知らないけど、私は普通……ノーマルだからね?」
「でもあやめがこ」
「あやめちゃんが何?」
「何でもないわ! ……です!」
「なのはちゃんも。それは嘘だから」
「でもあやめちゃんが言っ」
「あやめちゃんが何?」
「何でもないの! ……です!」
恐怖。
恐怖でした。
目の前にいるのは恐怖でした。
あれ? やべぇです。超やべぇです。
本気で怖いです。笑ってるのに怖い顔という表現は聞きますが、初めてみました。目が笑ってないけど顔は笑ってる笑顔というのを初めて見ましたが、めちゃくちゃ怖いです。怖過ぎます。
笑顔で身体が震えます。
逆らえないナニカが、逆らってはいけないナニカが、目の前にいます。
逃げなければいけないのに身体が動きません。ただ笑っているだけなのに、蛇に睨まれた蛙のように、動けません。
これが絶望。
これこそが絶望。
「あやめちゃん」
すずかは笑って、
「少し、お話しようか」
笑って――――――。
その日の事は思い出したくはありません。思い出すだけで身体が震えてきて、『お話』の内容なんて思い出せないのにいつまでも怖くて、ただただ恐怖一色。
私はあの時、月村すず
「あやめちゃん?」
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