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スーパーヒーロー戦記
第53話 風と稲妻
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れをやってのけたのは実際にはなのはだ。従って今なのはが居ない状況で果たしてそれが可能かどうか怪しい。

「泣き言は言ってられない。私は決めたんだ! なのはの分まで強くなるって」
「お前……誰かの為に強くなろうとしたのか?」
「うん、私の大事な友達の為に」
「友達?」

 背中合わせにフェイトとV3が語り合う。

「その子は、何度も私の事を助けてくれた。そして、その子は今必死に自分と戦ってる。凄く苦しみながら……だから、私はあの子の分まで強くならなきゃならない! こんな所で躓いてられない!」
「そうか……思い出したよ。先輩達が俺に何を託したかを」
「え?」
「確かに、俺も何時までもこんな所で躓いてられない。俺は前に進まなければならないんだ! 復讐の為ではなく、人類の未来の為に!」

 そう言ってV3は構えた。ベルトのダブルタイフーンが高速で回転しだす。
 周囲の風のエネルギーを吸収しそれを体内エネルギーに変換しているのだ。

「フェイト、お前は何か遠距離系の武器を使えるのか?」
「使えます。でも、あいつを倒せるかどうかは……」
「あいつを狙わなくて良い。狙うのは俺だ!」
「え?」
「俺に向ってそいつを思い切りぶっ放せ! 後は俺がどうにかする」

 正気で言っているのか疑問に思えた。だが、自殺願望者ではない彼にとってそれは何かの秘策であろう。
 フェイトはそう確信し頷く。

「よし、行くぞ!」
「何をコソコソ話している。念仏でも唱えてたのか?」
「念仏を唱えるのは貴様等だ!」

 再び大空へとV3は飛翔する。その背後には砲撃態勢を終えていたフェイトが居た。

「行きますよ志郎さん! サンダァァァレイジィィィ!」

 飛翔するV3に向かいフェイトは魔力砲を放った。空中で自由が利かないV3に向かい無情にも雷撃が迫る。

「馬鹿め、同士打ちとはなぁ」
「ふっ、それは違うぜ!」

 突如、V3が飛んできた雷撃を足に絡める。放たれた全ての雷撃のエネルギーがV3の両足に集まっていく。それに更に回転を加えてイカファイヤーに向かい突っ込んでいく。

「食らえイカファイヤー! 必殺、V3稲妻キィィィィィック!」

 フェイトの魔力砲のエネルギーとV3の捻りを加えたキックのエネルギーが互いに合さりイカファイヤーへと叩きつけられる。それは凄まじい衝撃とエネルギーとなりイカファイヤーに注がれた。
 体内の擬似ジュエルシードが音を立てて砕け散った。吸収範囲を軽く超えてしまったのだ。

「ば、馬鹿なぁぁぁ! この、このイカファイヤー様が、二度も敗れるなどと……」
「覚えておけデストロン! 貴様等悪党に地上を制する日は来ない! 俺達がこの地上に居る限りはな!」
「うおぉぉぉぉぉぉ! デストロンに栄
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