第53話 風と稲妻
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に流せる涙があったんだな……」
「それは、貴方が人間である証です。例え改造された人間であろうと、心は人間の筈なんです。だから、だからそんな悲しい考えで戦わないで下さい!」
「フェイト……ん!」
ふと、志郎は外にある異様な気配を感じた。突如、ガラスが叩き割られる。飛び込んできたのはボウリング玉と同じ大きさの鉄球であった。しかもその鉄球は炎を帯びている。
それが何発も飛んできたのだ。
「逃げるぞ! フェイト」
「はい!」
急ぎ風見邸から出る二人。その周囲にはデストロン怪人と以前倒したイカファイヤーが待っていた。
「待っていたぞ仮面ライダーV3よ! 今度こそ息の根を止めてくれるわ! ファイヤァァァァァ!」
「しょうこりもなく出て来たかくたばりそこない! また地獄へ叩き落してやる!」
志郎が言い、そして変身する。
仮面ライダーV3となり、直ちに大空へと飛翔する。
「お前達に構ってる暇はない! 一撃で片付ける!」
言葉と共にV3が大空でキックの構えを取った。V3キックだ。
幾多の怪人をこれで粉砕してきたのだ。
「馬鹿め!」
「何?」
目の前でV3が見たのは信じられない光景であった。V3キックを受けたにも関わらずイカファイヤーが微動だにしていないのだ。それどころかイカファイヤーの体に当たったキックを中心に体中のエネルギーが吸い取られるのを感じる。
「ぐっ!」
咄嗟にイカファイヤーから離れる。時間的にはほんの数秒だっただろうが、それでもかなりのエネルギーを吸い取られてしまった。
「あの現象……まさか、擬似ジュエルシード!」
「何だそれは?」
「今のイカファイヤーにはあらゆる攻撃を吸収する力があるんです。小刻みな攻撃じゃ返って相手に力を与えるだけになってしまうだけです」
冗談ではなかった。此処に来てなんて面倒くさい事になった事か。
しかしキックが通じないとなると今のV3には手出しが出来ない。
仮面ライダーの武器はその殆どが物理攻撃、即ち手足による攻撃だ。
それは相手に触れる事になりたちどころに力を吸収されてしまう。
「思い知ったかV3! さぁ、今度こそ地獄へ行けぃ! ファイヤァァァ!」
イカファイヤーから猛烈な炎が噴射される。どうにかかわすもその直後にイカファイヤーの伸縮自在の足が飛んできた。
「うおっ!」
辛うじてそれをかわすV3。少しでも触れればアウトだ。瞬く間にパワーを吸い取られてお陀仏となってしまう。
「フェイト、奴を倒す何か手はないのか?」
「敵に許容範囲以上のエネルギーを与えられれば倒せます……でも」
フェイトは渋った。実際にそれをやってのけて以前イカデビルを倒した事がある。
しかしそ
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