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Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
白銀武
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を聞くのか…緊張するなぁ。

―白銀武Side Out―

―シルバSide In―

 …どう今の感情を表に出していいのか分からない。

 今俺が見ている白銀の視点が映し出されたモニター。そこに映し出された映像は俺が予想もしていなかったものばかりだった。白銀からBETAと言う存在は聞いていたが、それがあそこまで圧倒的な存在だとは思っていなかった。

 そして同時に納得してしまった。あの存在があればこの基地の外の景色もこいつらの存在が原因なのだと。

 俺の世界にもこのBETAと似た生物兵器、と呼ばれる存在が居たのは一応俺も知っている。その情報を見たこともある。だがこんな圧倒的物量を持っている訳でもなく、個々の戦闘力もここまで高くない。

 白銀武は今までこんな存在と戦ってきていたのか?…この世界の人間はこんな存在と戦ってきていたのか?…正直言うと俺は舐めていたのかもしれない。

 俺とて最強のリンクスと呼ばれた存在だった。だからこそ自分の力に自身はあり、ある程度この世界でも通用すると思っていた。だがそれは俺の傲慢でしかなかった。個人の力は物量には及ばない。質より数とはまさにこの事だろう。如何に個人が優れていようが、圧倒的な物量の前には無に帰す。

 そんな俺の心境を読み取られたのだろう、横で白銀の様子を見ていた女性が俺に声を掛けて来た。

「これが私達の敵BETAよ。それを見た感想はどうかしら?」

 そう聞いてきた女性の口元は笑みを浮かべているが、その瞳には感情がなかった。俺がこの世界の現状を見て、どう感じたのかを判断しているのだろう。この世界を見て、俺が使えるかどうか、判断したいのだろう。

 確かに俺はこの映像を見て驚き、恐縮しているかもしれない。だが、俺に戻る道はないのだ。自分の知る世界じゃない以上、俺は前に進むことしか出来ない。それが地獄への道だとしても。

「正直言うと驚いている。…だが問題はない」

 そう…問題はない。俺にはACがある。

 BETAの圧倒的物量には驚かされたが、白銀が操作する戦術機を見て俺にとっては嬉しい確信が取れた。戦術機とACでは圧倒的にACの方が性能が高い。速度、火力、防御力、どれをとってもACが戦術機に劣るものはない。

 当然先程も言った通り、AC単機では全てのBETAを駆逐する事は不可能だろう。だが、AC単機でこのHIVEを攻略する事は…恐らく出来る。

 白銀のシミュレーター映像を見ていて分かったこと。HIVE攻略に重要なのは速度と言う事だ。速度ならば先ずACの横に出る存在はこの世界にないだろう。それにBETAの鈍い動きにACがつかまる、なんて事も先ずない。そこに操縦者の技術が絡んでくる事も事実だが、俺は初心者ではない。

「俺が持つAC
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