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Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
白銀武
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使っていたけど、XM3よりは機動性が落ちてしまうと思う。その事を視野に入れてHIVE突入を行わなければいけない。機体は撃震。装備は87式突撃砲、74式近接戦闘長刀、65式近接戦闘短刀、92式多目的追加装甲の四つ。
突撃前衛はかなりの接近戦に特化したポジションだから当然弾薬の数は少ない。その少ない弾薬の数に比べてBETAの数は異常とも呼べる数だ。その使い所を間違えたら即撃墜に繋がりかねない。
と、どうHIVE内で動くか想定していると網膜投影によって切り替えられた視界の右隅に夕呼先生からの通信が入った。
「此方の準備は良いわ。あんたの好きなタイミングで出なさい」
「了解!」
目の前に広がるHIVE内部へと繋がる大きな口。この入り口を見るだけで桜花作戦を思い出してしまう…。
ッ…!
今は感傷に浸ってる時じゃない。あれを繰り返させない為にも俺は望んだんじゃないか!
「それじゃあ…行きますよ!」
合図を出し、一気に激震の跳躍ユニットを噴出する。
ストップ状態から一気に最高速度に達する。網膜投影に移った景色が一気に後方へと流れて行く。
ヴォールクデータのHIVE内部は一応記憶してある。最も細部まで記憶している訳じゃないから急激な進路変更なんかは出来ない。
だからこそ帰ることを想定した推進剤の残量は考慮せず、今は深部に到達する事だけを考える。HIVE内で最も重要なのはBETAを駆逐する事じゃない。如何にBETAを相手せず、どれだけ素早く深部に到達するかが重要なんだ。
BETAが無数に蠢くHIVE内で一瞬でも足を止めたら即BETAに囲まれてしまう。もし俺が囲まれたら単独でHIVE内に突入しているのだから撃墜は間逃れない。HIVE内で唯一の救いと言ったら光線級が居ない事。光線級が居なければ俺が最も得意とする三次元機動が出来る。
「前方敵影…数3000って所か?」
HIVE突入後、数分で早速四桁数のBETAをレーダーが捉えた。
3000の数なら突破は可能…!使用する弾丸は最低限度で留める!
例え四桁数のBETAが現れようが、今出している最高速度を緩める事なく、前方に見え始めたBETAの大群の真ん中に突っ込んで行く。
「…!更に前方敵影…!」
まるで動く絨毯のように敷き詰められたBETAの大群を掻い潜る中、更に前方からBETAが押し寄せてくる。その数は先程の比にならないレベルであり、最早BETAが波に見えてくる程だ。互いに意思疎通しないBETAは互いの上を踏むように進行し、更に他のBETAがその上を進行する。その繰り返しで今俺が通っているシャフトは既に本来の広さに比べかなり狭まってきている。
一刻も早くあの隙間を通らなければ終わりだ
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