暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
戦前のひととき
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待って、ボクも──」

ユウキは立ち去ろうとするレンの肩を掴み、止めようとしたが、振り返ったレンの瞳を見たとたん、金縛りにあったように動けなくなった。

『ウルセェナ』

妙な金属質なノイズが含まれる異質な声。

そこに浮かんでいたのは、明確な殺意。そして悪意。ユウキは蛇に睨まれたカエルのように動けなくなった。

『ガキハスッコンデロ。殺サレタクナキャァナ』

ユウキははっきりと理解した。目の前に存在している《モノ》は、レンではない。断じて違う。

固まっているユウキを肯定と取ったのか、満足そうにその《鬼》は嗤った。

『心配スンナ。オ前ェノ命ハ取ラネェヨ』

それだけ言って、混沌とした戦場の中をひらひらと後ろ手を振りながら去っていった。

その後ろ姿に、昨日のレンの後ろ姿が重なった。

ユウキの姿が見えなくなったとき、レンは誰の耳にも聴こえないような声で呟いた。

──ただ、もう知り合った人が目の前で死ぬのは嫌なだけだ──
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