暁 〜小説投稿サイト〜
100年後の管理局
第九話 床抜、実行
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
正史管理第六課の設立が決定してから早一ヶ月。新部隊の設立にはかなりの時間を要するために、いまだ高町誠也、アリス・T・ハラオウン、八神ひさめは本来の部隊で自分たちのなすべきことをなしていた。


本局340部隊隊長室
そこでは栗色の髪の少年――高町誠也と、壮年の白髪が見え始めた男性――340部隊隊長がかなり焦った様子で会話がなされていた。
「S級ロストロギアが狙われている!?」
そんな焦った様子の誠也から出てきた言葉は、もしかしたら次元世界が滅びかねないほどの物騒な内容だった。
「ああ。現在138管理世界グラールにて遺失物管理課が黒ずくめのテロリストたちと交戦中だ。遺失物管理課の奴が相手の通信妨害圏内を脱出してこちらに連絡してきた。相手の戦力は少なく見積もってもAAランク相当が2名、AAAランク相当が1名だそうだ。」
それを聞いた誠也はその表情がかなりひきつったものになる。
管理局内において魔導師の能力についての単純な指標である魔導師ランクの平均値は大体C+〜B−程度である。
大体の部隊がそれくらいのランクの魔導師を中心として構成されている。
つまり、Aランクは管理局内で見れば優秀な部類に入り、AAランクはエースと呼ばれる部隊における切り札のようなレベルになってくる。
つまり相手のテロリストはエース級二名に超エース級一名という、もしかしたら簡単な武装組織を数時間で壊滅させられそうな超実力者集団と言うことだ。
「分かりました。すぐに現場に急行します。」
「ああ。この部隊で奴らを何とかできるのは総合SSのお前くらいなんだ。頼んだぞ。」
「了解!」
誠也はすぐに身をひるがえし駆けだした。


『誠也!』
本局の次元転送ポートに向かって全力で走る誠也の横から、グレイルがモニター越しに呼び掛ける。
誠也はそれだけで大体察したようですぐさま要求を繰り出す。
「グレイル!転送可能地点の割り出しは!?」
『すでに終了してる!転送地点についての入力も終了済みだ!』
相手がテロリストであるならば、確実に戦闘地点は転移妨害の結界が張られているだろう。
それを踏まえた上でのグレイルへの要求だったが、グレイルも心得たものですでにその作業を完了させていた。
「仕事が速くて助かる……!レイジングハート!」
『Stand by ready. Set up.』
誠也は走りながら己の戦闘服―白のバリアジャケットに換装する。
そこから少し走った後、管理局の次元転送ポートに到着する。
『誠也!転送地点は地上だ!飛んでいくんじゃねえぞ!』
「分かってる!飛んで行ったら間に合わない!」
誠也は138管理世界、グラールへと転送された。


転移の時の独特な感覚が無くなり目をあけると、十キロほど離れた地点に見えたのは、先日ひさめが案内さ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ