Silent 60'S Mind
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力か! 重くする能力!」
僕の姿はいつの間にか透明じゃなくなっていた。お嬢様から離れたからだろう。
「……あんたが何者か僕は知らないし、何故襲ってくるかも僕には分からない。でも僕の家族が危険な目に会うかもって考えると僕はキミを許せそうにない。降参してよ。もう勝ち目はないよ」
「……勝ち目がない? 俺のラブ・ポーション#9よりもお前のスタンドのほうが強いっていうのか?」
「僕に傷一つつけられないパワーのないスタンドで何をするつもりだ? 何か出来るのか?」
「パワーのない? どうだろうな。試してやるぜ! 俺が動けなくても俺の#9はお前に張り付いたままだぜ? マヌケがッ!」
そう、油断があった。僕はスタンド使いと戦うのは本当に久しぶりで、スタンドがどういうものなのか忘れていた。致命的だ。あの男の言うとおり、マヌケは僕だった。
パワーのないスタンドだった。カバン一つ開けられないスタンドだった。お腹に張り付いたときも、だからどーしたって感じだった。
だけれど。男がスタンドに命じた瞬間、僕は男の小さなスタンドに投げ飛ばされていた。
「ウォォアアア! な、なんだー! つ、強い! 強いパワーのスタンドだ!」
スタンドに投げ飛ばされ、僕と男の間に五メートル以上の距離が開いてしまった。3 FREEZEが解除された。
「オーイおいおい、射程距離がずいぶんと短いじゃないか。だからあんな近づいてたのか? お前の能力が解除されちまったぜ。何にもできねーパワーのないスタンドはお前だ」
「なら! ACT3! このトカゲを重くしろォ!」
そう言った瞬間、もう一度お腹をスタンドで殴られた。吐きそうだ。いきなりパワーが上がっている。しかし、吹っ飛んだと同時にスタンドは剥がれた。これで殴られる心配はない。
地面を転がりながら痛みに耐える。腹部に手を当てると、何かが手にベタリとくっついた。まさか出血してるのかと焦ったが、見ると透明な粘液だった。まるで唾液だ。いや、あのスタンドの唾液か何かだろう。
これのせいか? これのせいで敵のパンチが強くなったのか?
「何の能力なんだ……この唾液が関係してるのか?」
風が吹いた。音にするならフー、という感じの草花を撫でる程度の風だ。しかし、僕の体はそんな風にすら異常を感じた。
「う、うわ、何だ? 吹き飛ばされそうだ! 音じゃ全然対した事ないのに! 飛ばされる!
ACT3!」
『重クシマスカ? 自分自身ヲ』
「早くやれー! 飛ばされるぅ!」
『S.H.I.T ヤレヤレッテヤツデス。3 FREEZE!』
ズシリという感覚。浮き上がっていた体が地面に縫い付けられた。重いけど、でも地に手足がつくというのは安心があった。だが、もしかすると、分かったかも知れない。敵
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