Silent 60'S Mind
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広瀬さん。ここからは徒歩で行きましょう。ホテルまで、そう遠くではないと思います」
「え? な、なんで? もしかして怖がらせちゃったかな? いや、うん。あんな運転したから怖がるのも無理はないかも知れないけど――」
「違います。それは勘違いです。でも、車は危険かも知れません。私も確信はないんです。でも、危険になるかも知れない。半信半疑ですけど、聴いてもらえますか」
――そう言う彼女の表情はこわばっている。少し汗もかいている。僕の運転で怖い思いをしたからだと思ってた。でもどこかおかしい。やっぱり彼女はチグハグだ。何を考えているかが分からない。車が危険? いや、危険になるかも知れない? もしかして、彼女は知ってるのか? このお嬢様は、何か身に覚えがあるのか?
「もしかして、これは僕の思い過ごしかも知れない。だけど聞かずにはいられない。襲われているのか? 今僕たちは危険な状況にいるのか? 僕には分からない。何の事情も知らないし、僕には身に覚えがない。キミはあるのか? お嬢様には、今の状況が理解できているのか?」
「……言ったはずです。半信半疑です。まさかこんな強硬な手段をとるとは考えていませんでした。慎重な奴だと思ってた。何より、スタンドを知ってるとは思っていなかった……」
スタンド! やっぱり、僕たちはスタンド使いの攻撃を受けている! 分からない、訳が分からないけど、ここは逃げたほうがいい!
「お嬢様、荷物を貸して! 走ろう! スタンドの姿も本体の姿も見えない今は危険だ!」
彼女の手からカバンを奪い、僕は走りだした。お嬢様も後ろから走ってついてきている。
「ACT3! 後ろを見ろ! 追ってくる奴がいないか探せ!」
『スデニ見テイマス。……車ノ下ニ何カガ居マス。ノソノソ動イテイル』
車の下! スタンドか、本体か、どちらにしろ何かがいる!
走りながら振り向くと、何か小さい物が動いていた。バスケットボールくらいの大きさだ。あれはスタンドだ。本体の場所は不明。決め付けは危険だけど、遠距離タイプのスタンドだろう。頭に9と書かれた小さなトカゲ男のような姿をしている。敵スタンドは走る僕たちを見据えると、追いかけてきた。もう三十代間近だっていうのに、スタンド使いに狙われる事になるなんて!
「静さん! キミの能力は透明になる能力だろう!? 透明になって隠れよう! 隙を見て逃げるんだ!」
「広瀬さん。こんなお願いをするのは間違ってると分かってます。危険な事に巻き込んだ咎は私にあって、貴方は安全な場所にいるべき人です。それを棚に上げてお願いがあります。私と一緒に戦ってほしい。私は逃げたくない」
「な、何を言ってるんだ!? お嬢様のキミが戦う? 冗談じゃない! 無理に決まってる! 殺されちゃうよ!」
「死にません。死
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