Silent 60'S Mind
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の能力!
「まさかだけど、僕の似た能力なのか? 重くする僕の能力と反対に軽くする能力なのか? この唾液で軽くなるのか? 僕が軽いからパワーの弱いスタンドでも殴り飛ばせて、パワーが弱くても車を持ち上げられたのか? そう考えるとつじつまが合う! 風にも飛ばされそうになった!」
「大、正解だマヌケ! だけど訂正、似てるが全然違う。俺のほうが断然に上だ! 射程距離も、能力も! 近距離でしか重くできないテメーと遠距離でも軽くする俺。どっちが強いか明白だろ。さて……質問タイムだ。女はどこに逃げた。お前の家か、ホテルか。この町にホテルってどのくらいあるんだ? 面倒臭いよな、可能性がいっぱいだ。お前がきっと教えてくれる。嘘をつかずに教えてくれる。そんな可能性に掛けてるぜ、俺は」
男の狙いはお嬢様だ。間違いない。だが、この状況を一体どうすればいい。助けを求める相手はいない。僕の手で何とかしなくちゃならない。お嬢様の能力は戦闘なんて無理だ。
「答えてくれよ。どこに逃がしたのか。命を掛けて女を守り通す、なんてダッセー可能性は期待してないんだぜ?」
男が一歩一歩近づいてくる。しかし、きっと五メートルまで近づいてこないだろう。そんな楽観はできない。どうすれば……。
ドルン、ドロロロロ……
聞き覚えのある音が響いた。何の音だったか。エンジン音だ。男のハーレーか? いや、違う。この音は。
僕の車だ。
「ンンン? 車の音がするぞ。エンジンの音だ。ずいぶん近いぞ? だが車が見えない。周囲には何にもねぇ…………ンンン!? マヌケだったのか? 俺がマヌケだったのか!? この男の能力は『重くする事』だ! こいつは最初、透明になっていた! 透明にする能力! もう一人いる! 女だ! 静・ジョースター! アイツもスタンド使い! そして、さっき俺が漁った車がどこにも見当たらない! まさか、まさかまさか!」
ウォォォン、と男の悲鳴に答えるように車が唸った。アクセルを踏んだらしい。
僕もまさかと思った。お嬢様だ。外側も内側も、完全なお嬢様だと思っていた。僕は半ば馬鹿にするようにお嬢様と呼んでいた! だけども、だけれども! 彼女はお嬢様なんかじゃあなかった! 彼女は戦うと最初に言った。本気だったんだ。本物の覚悟だったんだ。ただのお嬢様なんかじゃあなかった!
「ラブ・ポーション#9! 車を探――」
男は、そう言った次の瞬間。
「――せぇぇッブッバハァァァァ!?」
ドン、と鈍い音を響かせて、透明な車に轢かれて飛んだ。
侮っていた。僕は彼女の能力を侮っていた。赤ん坊が透明になるだけの能力だと思っていた。
そんな事はなかったようだ。反省しなくちゃいけない。
男は気を失ったのか、はたまた
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