Silent 60'S Mind
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ジョースターさんですね? 僕は広瀬康一。キミの……お父さん、でいいのかな。日本に滞在する間の世話を頼まれた者です」
彼女は一度ペコリと頭を下げると、サングラスを外した。
僕は驚いた。
サングラスの奥に隠されていた彼女の瞳は、なんと青かった。カラーコンタクトだろうか。いや、十三歳にしては大人っぽい雰囲気の子だと思ったが、そうじゃない。
彼女は日本人ではなかった。
静・ジョースター。杜王町で拾われた彼女は当然、日本人だと思っていた。 多分、ジョセフ・ジョースターだってそう思っていただろう。 だから日本風の名前をつけたのだ。
だけど彼女は白人だった。それが周知になったのはいつの事だろうか。彼女のスタンド、透明になる能力を、自力で操作できるようになって、初めて分かった事なんだろう。早くて三歳か、いや五歳か六歳か、ともかくとして、すぐには分からなかった事だろう。
彼女は、失礼にも面食らった僕を不思議がる事も、侮蔑する事もなく、口を開いた。
「広瀬康一さん。聞いています。パパと空条おじさんの友人だって」
透き通るような、綺麗な抑揚の声だった。細かい仕草も整っている。そういえば、ジョースター家はお金持ちだった。彼女はお嬢様だ。
「よろしく。えーっと、なんて呼んだらいいかな」
「お好きなように。静と呼んでくださっても構いません」
「じゃあ、静さん。一つだけ。一つだけ聞いてもいいですか?」
「どうぞ。何でも、お答えします」
「キミが日本に、杜王町に来た理由の事です」
「――パパから聞いているのではありませんか?」
「聞いてます。聞いてるから、ちょっと納得がいかないというか、差出がましい話だけど、ほんのちょっぴりだけ気に入らないという気持ちがあるんです。――実の両親を探しに来たって本当ですか?」
僕の問いに、彼女はにべもなく頷いた。
「本当です。私の本当の両親を探す事。私がここにきた理由。……優しい方なんですね。広瀬さんは」
「え?」
ドキリとした。優しいと表現されるとは思ってもいなかった。僕の静かな怒りは、彼女にとって関係のないもので、家庭の事情に首を突っ込まれる不愉快な事でしかない。予想外だ。ほんの少しくらいムッとしてもよさそうなのに。
「ご心配はなく。パパとの関係は悪いわけではありません。私はパパに不満を持ってはいない。素敵なパパだと思っている。自慢のパパ。ママだって素敵な人だった。ママが亡くなったのはとても悲しい事だけれども、私は素敵な家族を持ったと思っている」
「ならどうして、と聞いてもいいかな?」
「ちょっとした好奇心、というのが私の本音です。私は理解しています。子どものちょっとした好奇心が、親を傷つける事もあるって。でも私の実の両親の事を気にかけているのは、本当はパパ
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