第11話 蒼い少女
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しかし!
突如、俺の背後に響く金属同士が激しくぶつかる音。
俺の後ろに舞う白い影。
蒼の髪の毛が月の光を受けて輝き、その両の手に握られしは、闇よりも昏い死に神の鎌。
俺の方を無表情に一瞥した後、直ぐに興味なさげに在らぬ方を向ける少女。
そう。血の輝きを湛えしその双眸を……。
そして、再び、自らの身長よりも大きな死に神の鎌を振り上げ――――
無造作に振り降ろした。
宙を走る柳葉刀が、少女の振るう死に神の鎌に阻まれ、地上へと撃墜される。
宙を走る、眉と瞳の文様を刻まれし柳葉刀。つまり、これは宝貝の一種。眉目飛刀と言う事か。
俺を護ってくれた少女に気を取られた刹那の間、
黒き男の手の平に、無数の彼に相応しい彩に燃える炎が生み出され――――
次の瞬間、男の手を離れた無数の黒き炎は、拡大と分裂を繰り返しながら、俺を包み込もうと迫る。
そう。四方八方より襲い来る黒き炎を回避する事は事実上不可能。このままでは、黒き炎に焼かれ……。
しかし!
そう、しかし。俺を包み込もうとした黒き炎が、突如、俺の周囲に現れた防御用の陣が輝くと同時に、逆に自ら放った黒き炎に包まれる男。
それまで、憎悪の籠りし瞳で俺を見つめていた男の顔が、驚きに彩られる。
そして、次の瞬間。
炎に包まれた男の上半身と、そして、下半身が僅かにずれたのだった。
☆★☆★☆
「貴方は誰」
黒き男が燃え尽き、灰と成って風に散じた瞬間。血の色に輝く瞳で真っ直ぐに俺を見つめた少女が、そう問い掛けて来た。
夜の属性を帯びた、より彼女に相応しい声で。
そして、その際に感じた、微かな既視感。
髪型は長門と同じ。つまり、かなり短い目のショートボブ。但し、長門の方がややクセ毛だと思います。色は……蒼き月光を受けて、蒼銀の色に輝いて居ます。肌は……明らかに、新たに現れた少女の方が白い。瞳は、俺の左目と同じ紅。おそらく、彼女は先天性色素欠乏症の少女と言う事なのでしょうが……。
服装は……。これも長門と同じセーラー服姿。しかし、どう考えても、真冬の外を出歩く服装では有りません。そして、彼女の右腕を飾る複雑な意匠の銀の煌めき。
彼女から受けるイメージからの推測に過ぎないのですが、流石にミニスカートで、死に神の鎌を振り回して異形の者と戦闘する少女ですから、普通の少女と言う訳では無いとは思いますね。
身長に関しては……。ほぼ、長門と同じぐらいですか。
俺は、紅い瞳と蒼銀の髪の毛を持つ少女と、少し離れた街灯の下に立つ、紫色の髪の毛を持つ長門有希を交互に見つめた。
そして、海よりも深いため息。
「俺は、異世界よりの来訪者。水
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