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Report5 カルデア
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スメ用品。
ファミリーマットレスセットなるものもあったので、これまたユティ清算でルドガーの家に宅配するよう手続きした。ついでに、出てきたばかりのミラのため、エレンピオスの簡易ガイドブックも買った。
思った以上に時間をかけすぎた買い物を終えた頃には、交易都市はまんべんなく夕陽が降り注いでいた。
アルヴィンとユティも急いで定期便に滑り込み、トリグラフ港に戻った。
「今日はアルフレドと大冒険」
「ま、デートとはちーとばかし違ってたわな」
「アルフレドはデートがよかった?」
「いんや。俺もユティと冒険できて今日は大満足よ」
ユティはほっとしたようだった。スタート直後で彼女を情緒不安定にさせた身としては、デート相手がここまで復活したのは純粋に喜ばしい。
「ほんじゃ帰るか。もう暗くなるから送ってくよ」
「いいの?」
「ああ」
暮れなずむ街を歩きながら、会話は弾むというより、ぽつりぽつりと静かに交わされた。
「お仕事、上手く行ってる?」
「ボチボチな。今は相方と一緒に試行錯誤中」
「相方」
「リーゼ・マクシア人の男でな。キタル族っつー、ワイバーンを操れる部族の奴なんだ。俺より年下なのに、ずっと男らしくて根性あって」
「何て名前?」
「ユルゲンス。ユルゲンス・キタル」
「会いたい、な」
「いいぜ。今度会わせてやるよ。あ、先に言っとくけど、あいつ妻帯者だからな。しかも新婚さん」
「奥さん……会える?」
「……いや。ずっと寝たきりだから、会うのは無理じゃねえかな」
「会ってみたいって言ったら、ユルゲンス、怒るかな」
「それはないだろ。きっと、喜んでくれるさ、あいつなら」
「二人が一緒に商売してるとこ、撮って、いい?」
「そういうんなら大歓迎。いい写真撮って販促してくれ」
「よかった。たのしみ」
ふふ。孵化する直前の卵を抱くように優しく両手の指先を重ねる少女。
「リーゼ・マクシアの果物、おいしい?」
「パレンジはちーとすっぱいけど、慣れるとクセになるぞ」
その内、マンションが立ち並ぶ団地が見えてきた。静かでほっこりした時間はこれでおしまいだ。
「ここまでで、いい。ありがとう。アルフレド」
「いえいえ。小さなレディのためですから」
大仰に礼をしてみるが、ユティは首を傾げただけで笑いは取れなかった。
「――ねえ、アルフレド。今日のことで一つ、まだ聞いてないことがあった」
「ん、神妙な顔してどうしたよ」
「ワタシ――社でのアルフレドとユリウスのインファイトの結果がどうなったか、知りたい」
もっと深刻な問いと予想しただけに、大きく肩透かしを食らった。
「あー、あれね。一応、俺の白星。泣き虫少年の漂流記でかるーくジャブ、アルクノア時代のアレ
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