Mission
Mission7 ディケ
(2) イラート海停~イラート間道~ハ・ミル村入口
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茜のプリズムをまとったイラート海停には、すでにルドガーたち以外のメンバーが集合していた。どうもルドガーたちが最も遅い到着だったらしい。
定期船を降りるや、レイアが離れ、ジュードとアルヴィンにぴょこんっと駆け寄った。
「やっほーっ。また会ったね」
「よ。原稿進んでるか?」
「書けば書くほど入れたいことが増えて何回も書き直しだよ〜」
「いいんじゃない? レイアの気のすむまでやってみて。全力投球、大賛成だよ」
「ありがと、ジュード〜」
エリーゼとティポもまたローエンのもとへ歩み寄る。
「エリーゼさんもティポさんも、お元気そうで何よりです」
「ローエンも。――マルシア首相、どうしてますか?」
「あちらもお変わりなく過ごされているようです。エリーゼさんにもメールが届いているのではないですか?」
「はい。でも、『ルナ』はそういった弱音はメールでは出さないから…」『友達なのに相談にも乗れないよー。無理してないか心配ー』
「では首相には私がお伝えしておきましょう。小さなお友達がお月様を心配しています、と」
「ありがとうございます」『ローエン頼りになる〜?』
がやがやとしゃべりながら歩き出す。ルドガーは少し後ろを付いて行く。エルとルル、ミラもまたそうだ。
ふいにフラッシュが視界の横で瞬いた。とっさに身構えるものの、すぐ思い直す。こんなことをするのは一人しかいない。
「逆光でフラッシュ焚くと、光の帯がはっきり映る。聖者の梯子、っていう。ルドガーたちとジュードたちの距離、繋ぐ、光の梯子」
「……いないから今回は外れるのかと思ったぞ」
ユティはカメラを下ろしてルドガー側に歩いてきた。
「外れないよ。ことユリウスの捜索って聞いたら、よけいに。アナタが泣かないか心配だもの」
「いい歳した大の男が兄弟関係で泣けるかっての」
ルドガーはユティの髪をぐちゃぐちゃとかき混ぜた。下からわざとらしい、抑揚のない悲鳴が上がった。
「とにかくこれで揃ったから、さっさとリドウんとこ行くぞ」
「あい。――ミラ、エル、手繋ご」
「な、んであなたと」
「答えは聞いてない」
「聞きなさいよ!」
ユティの両手がエルとミラの手にそれぞれ伸ばされる。エルは素直にユティに手を差し出したが、ミラは繋いだものの不満な色をありありと呈している。だがどちらもユティは歯牙にもかけず、ぶんぶんと彼女たちの腕を振り回して歩く。
「ゆーやけこやけ♪ おててつないでかえりましょー♪」
「来たばっかで帰るな」
「――ちぇ」
船着き場に沿ってレンガのアーチまで歩いていると、リドウとイバル、さらにはガイアスがすでにその場に待機していた。
「王様も来てたんだっ」
「たんだ」
「ナァ〜」
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