第十二話 この手で守りたくて
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しておいてくれよ」
「変な気を起こさないで」
「そうだな。しかし」
それでもまだ言う彼だった。
「あれはあれで破壊力があってだな」
「あんたもこっちも破壊されるから」
「それは問題外でしょ」
「まあそうだな。では止めておくか」
こう話してそのうえで今はそれを止める。しかしグン=ジェムはその剣でバジュラ達を次々に斬り倒していき戦いを有利に進めていた。
そしてだ。一時間程の戦闘でだ。バジュラ達はもういなくなっていた。
「もういないですね」
「そうね」
慎悟の言葉に真名が頷いていた。
「これでね」
「じゃあ戦闘は終わりですか」
「そうよ。じゃあ今は」
「そうよ。戦闘終了よ」
大海もここで言ってきた。
「皆帰還して」
「はい、じゃあ」
「これで」
「けれど」
ここでオズマを見てだった。見れば彼のバルキリーは被弾していた。
「少佐は大丈夫なの?」
「ええ、とりあえずは」
「命に別状はありません」
ミシェルとルカが応えた。
「ですが左腕に怪我をしていて」
「それが」
「骨折はないけれどな」
アルトも言ってきた。
「それでもな」
「そうか。それはいいがな」
ジェフリーもここで言う。
「しかし治療は必要だ」
「そうよね。ダーリンの為だから」
ボビーも真剣に気遣う顔だった。
「ここは急いでね」
「病院は手配できているか?」
「はい」
ジェフリーの言葉に応えたのはキャスリンだった。
「もう既に」
「そうか、ならいい」
「他に負傷者は」
「いることはいるが全員かすり傷だ」
こう答えた。
「入院する程のことはない」
「わかりました。それではすぐに」
「頼んだわよ」
ボビーも彼女に言う。こうしてオズマはすぐに病院に入れられた。
そうして病室にいるとだった。ランカが部屋に駆け込んできた。
「えっ、ランカ」
「どうしてここに!?」
「お兄ちゃん!」
見舞いのアルト達が驚く間もなく騒ぎ出すランカだった。明らかに普段とは違っていた。
「どうしてなのよ!」
「どうしてって」
「どうなってるんだ?」
「どうしてパイロットやってるのよ!」
その異様な様子で叫ぶのだった。
「もう乗らないって言ったじゃない。どうしてなのよ!」
「ランカ、それはだ」
「その約束で地球に残ったんでしょ!?どうしてなのよ!」
「おい、ランカ」
アルトがランカを抑えながら言ってきた。
「何だってんだ、急に」
「何でよ、何でよ!」
しかしランカは話にならない。
「何でなのよ!」
「これは駄目だ」
その彼女を見てサコンが言った。
「暫く落ち着かせよう」
「そうだな、ここは」
「まずは」
こう言ってであった。ランカに鎮静剤を打ってそのうえで静かにさせた。そうして何とか騒ぎを収まらせた。
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