第十一話 クロス=エンカウンター
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彼のことだった。
「あいつは何処に行った?」
「ああ、あいつならですね」
「今グレースさんに呼ばれてます」
ミシェルとルカがこう話した。
「ですから今はいません」
「そうした事情で」
「グレースというと」
オズマはそれを聞いて再び考える顔になってそのうえで述べた。
「あれか。あの」
「はい、シェリル=ノームのマネージャーの」
「あの人です」
「そうだったな」
オズマもそれを聞いて頷いた。
「あの人だったな」
「はい、その人に呼ばれてまして」
「今は」
「何かつながらないな」
オズマは首を傾げながら述べた。
「あの二人となると」
「確かに」
「接点が思い浮かばない」
それはエリエラとエイジスも言う。
「どういった接点なのかしら」
「それもさっぱり」
「まあよ」
だがテムジンがここで気さくに話す。
「行き先がわかってるのなら特に心配はいらないじゃねえか」
「それもそうか」
「そうだよ。とりあえずは休もうぜ」
こう仲間達に言うのであった。
「戦いも終わったしな」
「そうだな」
ジェフリーが彼の今の言葉に頷いた。
「それでは諸君」
「はい」
「休息に入ろう」
「わかりました」
まずは休む彼等だった。戦いが終わってからだ。そしてその時そのブレラは確かにグレースと会っていた。しかしその話の内容は。
「まさかここで会うとはね」
「思いも寄らなかったわ」
「ええ、本当に」
思わせぶりな笑顔と共に話すグレースだった。
「もう少ししたら地球に向かわせるつもりだったけれど」
「そちらはどうするのだ」
「先になったわ」
そうだというのである。
「それよりもまずはね」
「ロンド=ベルか」
「彼等はどちらにしろ何とかしないといけなかったから」
「そうか」
「だからよ」
こうブレラに話すのだった。
「今暫くはね」
「何もしないか」
「ただ、バジュラは行かせるわ」
「そうか」
「その為にも手駒を用意してあったから」
「手駒?」
「そうよ」
こう言うのである。
「それはもう用意してあるわ」
「あれか。ギャラクシーから連れて来た女か」
「そうよ。彼女よ」
まさにそうだというのだ。
「彼女こそがそうなのよ」
「若しそうでなかったらどうするのだ?」
「安心して。フロンティアでも見つけるから」
ここでまた思わせぶりな笑みを浮かべてきたのだ。
「一人。いるのはわかっているから」
「何故それがわかった?」
「気配よ」
それからだというのだ。
「それでわかったから」
「そうか。それでか」
「ええ、それで」
さらに言うグレースだった。
「貴方にはそれが見つかった時にね」
「その時か」
「動いてもらうわ」
「そうか、その時にか」
「わかったわね」
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