第七話 インフィニティ=ソウル
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は普通に驚いたぞ」
神宮寺も言う。
「命は惜しくないのかってな」
「しかしだ」
だがここで竜馬が言った。
「彼は本気だからな」
「そうなのよね」
ミチルも彼の言葉に頷く。
「バサラ君は彼のやり方で戦争を止めさせようとしているわ」
「それでも彼は歌うから」
未沙の言葉である。
「その覚悟は並大抵ではないわ」
「戦場に出て歌う」
今言ったのは大介だ。
「それは滅多なことではできない」
「けれど」
しかしここでクスハは首を傾げさせて言うのだった。
「そこまで歌に賭けられるなんて。自分の命を危険に晒してまで」
「クスハ」
ブリットはそのクスハに声をかけてきた。
「多分それが」
「それが?」
「バサラさんの戦いなんだ」
「戦いなのね」
「戦いを止めさせる為に戦う」
ブリットはこう表現した。
「そうした意味では俺達と同じだけれど」
「それを歌ってなのね」
「そういうことだと思う」
まさにそうだというのだ。
「あの人はね」
「そしてミレーヌもね」
今度はマーベットが出て来た。
「そう信じているからこそ」
「あっ、この歌は」
「確か」
ここで艦内に音楽がかかってきた。ミレーヌの曲であった。
「マイフレンズ」
「ミレーヌちゃんの曲ね」
「それが今」
「元気出していくか」
皆その曲を聞いてであった。
「これからな」
「それでだけれど」
未沙が皆に問うてきた。
「バサラ君は何処かしら」
「えっ、まさか」
「いないとか?」
「彼のバルキリーも見えないの」
まさに案の定であった。
「何処に行ったのかしら」
「うわ、またあいつ」
「勝手なことを」
「言っても聞かないのよね」
未沙の顔はいつもの彼について語る時の顔になっていた。
「というか耳に入っていないのよ」
「鬼の早瀬大尉が唯一頭を抱える相手」
「熱気バサラ」
人の話が耳に入らない人間もロンド=ベルには多い。だが彼はその中でも際立っていたのである。実はミレーヌもそうなのだが。
「まああいつはですね」
「あれっ」
「ガムリン!?」
そのガムリンの言葉だった。
「やる時はやる男ですから」
「ってあんたが言うなんて」
「どういう風の吹き回しなんだ?」
「確かガムリンさんって」
ミカが怪訝な顔で彼に言ってきた。
「バサラさんのことは」
「同じパイロットじゃないですか」
しかしガムリンは微笑んで言うのであった。
「相手のことがわかりますから」
「だからですか」
「それで」
「あいつのことは嫌いじゃなかったのか?」
ナオトも少し驚きながら彼に問うた。
「確か」
「いえ、別に」
しかしであった。そうではないというのだ。
「嫌いではないですよ」
「本当になんですか?」
「ええ、本当に」
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