第七話 インフィニティ=ソウル
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た。左手に包帯を巻いているだけだった。
「すんでのところで急所を外したしな」
「そうですか、それは」
「何よりですね」
「俺は大丈夫だ。しかしだ」
彼はここで話を変えてきたのだった。
「敵はだな」
「はい、そうです」
「そのままです」
二人の顔は安堵からすぐに暗いものになった。
「衛星軌道上にいたままです」
「依然として」
「まずいな」
金竜はそれを聞いてあらためて述べた。
「そしてこの星は」
「残念ですが」
「誰もいません」
「皆で出ての結果だな」
今全員で探索しているのだ。しかしなのだった。
「一人もか」
「はい、誰一人として」
「死体ですらも」
「おかしいな」
金竜は死体一つない状況について言及した。
「滅んだにしても死体が全く無いというのは」
「その通りですよ」
ドッカーも言う。
「どういうことなんですかね、これは」
「わからない。しかしだ」
「しかしですか」
「ここは」
「そうだ。今は待つことだな」
こう言う金竜だった。
「何か発見があるかも知れない」
「ではまだ数日程度」
「探索ですね」
「俺も今日から復帰だ」
ここで三人に笑ってみせたのだった。
「左手のかすり傷だけだからな」
「はい、それじゃあ」
「晴れてダイアモンドフォース復帰ですね」
こうして金竜は何事もなく復帰したのだった。しかしであった。
それから二日探索しても何もなかった。やはりであった。
「駄目だな」
「そうですね」
帰って来たミシェルとルカが言い合う。
「何もないな」
「誰一人として」
「そうだったな」
アルトもそこにいた。彼等も探索に出ていたのである。
「何も見つからないな」
「やはりおかしいな」
オズマもその目を顰めさせていた。
「これはな」
「けれどです」
だがここでルカは言うのだった。
「ここは居住可能です」
「それもかなり良質か?」
「はい、その通りです」
こうアルトにも答えるのだった。
「ですから移住できたと思うのですが」
「上にいる連中にやられたか?」
ミシェルはここで空を見上げた。マクロスクウォーターの甲板からだ。
「ひょっとして」
「それが一番妥当な考えだな」
オズマもそう見ているのだった。
「連中がここにいることを考えるとな」
「そして歌が効く」
アルトの言葉だ。
「それもわかってきたな」
「地球の時からそれはわかっていたんですよね」
「ああ、そうだ」
彼等にフォッカーが答えた。
「それはな」
「正直あいつはな」
豹馬がここで苦笑いと共に言う。
「最初何なんだって思ったぜ」
「武装なしの戦闘機で戦場で歌うんだからなあ」
キースもぼやき気味である。
「最初見て馬鹿どころじゃないって思ったさ」
「いや、あれ
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