追想〜情報屋の鷹と審判の騎士〜
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「おーし、鷹君、手引きはして貰ったかい?」
「大丈夫ですよクラディールさん、俺とキリトと、クラディールさんとリリーナさんの分の軍への視察権、しっかり手に入れて来ました」
情報屋アルゴの弟子、ホーク。俺達はアルゴから情報を買った後彼を雇い(半分無理矢理だが)軍に対して交渉をして貰った。これだけの短時間で交渉を切り抜けられるあたり流石はアルゴの弟子と言いたいが、彼女曰く「まだまだ」らしい。
ひとしきり報告を受け、次の指示をホークに託すともう彼は行ってしまった。情報屋の鑑のような少年である。まぁ・・・・・・・・がんばれ、影で応援してるから。
「よし、まずは作戦だ。視察期間は三日、夜七時まで。夜になると隠蔽スキルの高い俺とキリトと鷹君が情報収集、俺とリリーナが聞き込みだ。文句は無いな?」
「ええ、OKよ。これで色々分かる筈だわ、これ以上引きずると軍の人達は精神を極限まですり下ろし、動きや判断を阻害してしまう。もしそんな状態で圏外訓練なんてしたら襲われて全滅よ。それだけは阻止しないと」
「OK。じゃあ明日ここに集合だ、遅刻するなよ?」
そう念を押して、俺達は酒場を後にした。
ーーーーーーーー
次の日。俺達ははじまりの街にある軍の本拠地、通称『大要塞』の前に立っていた。
「はっ!クラディール殿、キリト殿、ホーク殿、リリーナ様でございますね、今扉をお開け致します」
身の丈の1.5倍はありそうな重槍斧(ハルバード)構えた二人の衛兵がコンマ1秒もたがわず同時に敬礼し、俺達を招き入れた。そこで俺達を茶でも飲みながら優雅に俺達を待っていたのは・・・・・・・・知っている顔だった。
「久しぶりだね!キリトにクラディール、元気そうで何よりだ。ささ、座って座って。お茶は俺が淹れるよ」
体の要所要所を守る軽鎧に、腰に提げた片手剣。そして誰もが目を引く群青色の髪。かつて第一層のボス攻略戦で指揮を執った青年、ディアベルだった。何か他の連中がそわそわしているところを見ると、どうやらまた昇進したようだった。やれやれ、今は大佐だそうな。
「すみません大佐。聞きたい事が三つ程あります。」
手を挙げたのは鷹君だった。彼は一度大きく深呼吸し、指を三本立てて
「一つ、軍に俺達に匹敵するプレイヤーはいますか?二つ、殺人者と内通している人間がいますか?3つ、その内通者は手練ですか?」
暫く黙って、ディアベルは話していく。
「Yes,だよ。三つの質問の答えは全てYes」
一度言葉を切って、俺達にとって最悪な台詞を吐く
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