第四話「面倒なことが起こりそうです」
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メン男子、モテない非イケメン男子の永遠の敵、木場裕斗。ヤツの登場でクラスの女子どもがキャーキャー騒ぎ出した。うぜぇ。
「いやー! そんな野獣に話し掛けないで!」
「木場くんが穢れちゃう!」
「木場きゅん×兵藤……」
「いいえ、ここは木場くん×レイくんよ!」
「おお、それぞ真理!」
「野獣なんかより天使のレイくんよね!」
「3Pなんてのもありかも」
「どっちが受け!?」
超うぜぇ。なんで俺がヤツなんかとカップリングしなくちゃならないんだ!
「あー、木場くんだ〜」
レイが手をぶんぶん振る。その姿に苦笑した木場も小さく手を振り返した。
「なんだ、知り合いだったのか?」
意外に思えたので聞いてみると、レイは笑顔で首肯した。
「彼とは少し前から交流を持っていてね」
木場も頷いている。
「へぇ……で、なんのご用ですかね」
面白くなさそうに返す俺。排他的な喋り方になるのも仕方がない。なにせイケメンは敵なのだから。
木場は気にした様子もなく、相変わらずのスマイルで続ける。
「リアス・グレモリーの使いで来たんだ」
――!
そうか、リアス先輩の言っていた迎えはこいつか。意外といえば意外だが、まあいい。付き合ってやろうじゃねえか。
「……OKOK。で、どうすればいい?」
「僕についてきて」
女子の悲鳴が増した。
あー、うっせ! 静かにしやがれってんだ。……そういえばレイのやつ、怖いくらいに静かだな。いつもは騒がしいのに、どうしたんだ?
レイの方を見てみると、奴は机に突っ伏して眠っていた。
「うぉい、なに寝とるんじゃい!」
ついレイの頭を叩いてしまったが全く起きる気配がない。熟睡してやがる……。
なんか、毎回ペース崩されるなこいつに。
木場も困ったように笑っていた。
「相変わらずだね、レイくんは。彼ほどマイペースな人、他には知らないよ」
確かにな……。
気持ちよさそうに眠っているこいつが少し羨ましく思えた。
「仕方ない。レイくんは僕が背負っていくから」
「いやいいよ。ダチの面倒はダチがみないとな」
木場の申し出をやんわりと断り、レイを背負う。軽いな、ちゃんと飯食ってるのか?
「じゃあ行こうか」
木場の先導の元、向かった先は校舎の裏手にある旧校舎だった。少し前までは使われていた校舎だが今はもうそんな面影は無く、ただ不気味な空気を醸し出していた。
「ここに?」
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