第三話「僕には分からない、エロの良さが……」
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う告げると、背中から黒い翼を出して光の槍を出現させた。攻撃する時って必ず翼を出さないといけないのかな?
「おいおいおい、なんだよこれ、誰だよあんた、変質者か!?」
困惑した様子のイッセーの言葉を男はにべもなく切り捨てた。
「貴様が知る必要はない」
男は槍を投げようとして――、
「ぬっ!」
全身を硬直させた。
「身体が――いや、腕が動かん……? 貴様、何をした!」
不可思議の現象に男はイッセーを睨みつける。いやいや、お門違いっていうものだよそれは。
イッセーも事態を呑み込めず困った顔で僕を見た。
「ねえねえ、一つ聞いてもいい?」
僕は二歩三歩と進み男に尋ねる。聞きたいのはあの女の子のこと。
「天野夕麻ちゃんって知ってる? こう、黒髪の髪が長い堕天使の女の子なんだけど」
「天野夕麻……? ああ、レイナーレのことか。それがどうした」
「あー、やっぱり知ってたかぁ。そっかそっか、レイナーレっていうんだ。うん、覚えた」
一人、うんうんと頷く。これでやることは決まったかな。
「……貴様だな、この現象を起こしているのは。貴様も神(の持ち主だったか!」
男が身体に力を入れるが腕は一ミリたりともそこから動かない。投球フォームで固まってるから、いくら凄んでもシュールに見えるだけだ。
「無駄っプー、キミの四肢は空間に縛ってあるから、無理に動くと腕や足がもげるぜい。ついでにその鬱陶しい力も封じちゃおっか」
「なっ、光が……!?」
強い光を放っていた槍は急速にその光を激減していき、やがて形を保つこともままならず、消えていった。
「キミも可愛そうだね。彼女の知り合いじゃなくてただの堕天使だったら、あるいは僕と敵対しなければこんな目に遭わずに済んだのにね」
男が目に見えて狼狽する。先程までの余裕は何処へやらだ。まっ、恨むなら数奇な運命と自分の行いを恨みなさいな。
僕は男の懐に入ると拳を引いて力を込める。
「にょっほぉ――――!!」
気合の声とともに絶大な気が拳に宿る。あまりの気の濃度に拳周辺の空間が揺らいだ。
「まっ――」
「いってらっしゃい!」
何か言いかけていたが、それより早く僕の拳が男のお腹に突き刺さった。同時に空間固定を解除。
その後の男の様子はこの一言で事足りるだろう。
男は、星になった。
自由となった身体は衝撃に逆らえるはずもなく、物凄い勢いで上空へと吹き飛んだ。このまま大気圏を突破して宇宙へと進出すだろう。まあ、そ
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