第三話「僕には分からない、エロの良さが……」
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? なに、絶対領域って。ただのニーソックスじゃん。しかも絶対領域……狙ってるのかな? いや、でも皆は僕の素性や『力』のことなんて知らないはずだし……誰が考えたんだろう、この言葉。
まあ、そんなこんなで最後のDVDが見終わった。時計を見てみると時刻は午後の十時を過ぎたところだ。
「もうこんな時間か。そろそろ帰るか」
イッセーの言葉に帰り支度を始める。
「じゃあな」
「またね〜」
「歯、磨くけよ」
玄関で松田と別れて、僕たちは並んで夜の街道を歩く。
「いい夜だ。こんなにいい夜だもんな、そりゃエロDVDも見たくなる」
急に元浜がそんなことを言い出した。イッセーが何言ってんだこいつ、という目で見ている。なんか元浜のテンション低めだね。ため息も多いし。改めて自分を見つめ直して絶望したのかな?
まあ、明日になれば元のエロメガネに戻っているでしょう。こいつら無駄に精力的だし。
「じゃあ、また明日な」
「おう、よく寝ろよ」
「じゃあね〜」
T字路で元浜とも別れ、イッセーと二人で歩く。
「どうだった今日は?」
「んー、よく解んなかった」
「はぁ……やっぱまだレイには早いのかな」
何やら気落ちした様子のイッセー。別に興味がないわけじゃないんだよ? ただ興味をそそられる相手がいないだけで――、
ぴくっ……。
不意に感じた気配に足を止める。イッセーが怪訝な顔で僕を見てきたが、それに構わず意識を集中させた。
――いる……。この気配は……堕天使?
あの女の子か! キッと前方を睨む僕の視線の先に一人の男が現れた。
スーツ姿の男。あの女じゃないのか……。
男は殺気の孕んだ目で僕たちを睨みんでいる。僕にとってはそよ風にも劣る殺気だけど、彼の気配に呑まれたイッセーは顔面を蒼白にして膝を震わせていた。
静かに歩み寄ってくる男の口元が歪む。それは、侮蔑の色。
「これはこれは、数奇なものだ。まさかこんなところでレイナーレが逃した人間に出会うとはな」
レイナーレ? 誰ぞそれ?
男は僕たちに構わず続ける。
「しかし、こんな小僧を逃がすとは、奴も存外詰めが甘い。それともお遊びを通じて愛着が湧いたのかな?」
しかし一人でペラペラと喋ってるけど、傍から見たら変人だよねこれ。
「ふっ、まあよい。下等生物が一人消えたところで問題はないだろう。元より計画ではそのつもりだったしな。――おい、人間。我らが大望のために死んでくれ」
なにやら自己完結した様子の男は一方的にそ
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