第三話「僕には分からない、エロの良さが……」
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難しい顔になってるよー。足りない頭でいくら考えても無駄なんだから、いい加減切り替えなさい」
せやっ、とイッセーの背に飛び乗り、足りない頭をペチペチと叩く。これでも食らって癒されなさい。
「あ、ああ、わりぃ。って誰が足りない頭だ!」
「だって本当のことでしょー? むふー」
やっぱりイッセーの背中は落ち着くなぁ。
「で、今度はどうしたの?」
「切り替えろって言いながら結局聞くのかよ……」
当然! 相手の都合なんて考えない。それが僕クオリティー!
「いやな、今朝の夢にリアス先輩も出てきたなと思ってな。……そういえば、レイも出てきたな」
「僕も?」
「ああ、なんかレイと一緒に槍で貫かれるんだよ。で、その後に一瞬だけリアス、先輩の姿を見たんだ」
「へー、夢の中の僕は死んじゃったんだ」
「いやそれがな、刺されたのにピンピンしてるんだよ、お前」
まあ夢だしな気にするな、と言葉を続けるイッセーに「ふーん、不思議なことがあるものだねえ」と、いけしゃあしゃあと呑気に返す僕。
そんなじゃれ合いをしている最中、あの紅い髪の女の人が僕たちを見て口元を緩ませていたのを僕は見逃さなかった。やっべー、超面倒な予感……。
† † †
「おっぱい揉みてえなぁ!」
号泣する松田とイッセーたちが抱き合っている。そんな彼らの後ろで、僕は一人取り残されていた。
授業が終わった後、僕たちは松田の家にお邪魔してDVD観賞会をすることになった。あのまま学校に一人でいると紅い髪の人に捕まっちゃう気がしたので、僕も付き合うことにしたんだ。
異様なテンションで観賞会が始まったのだけれども、枚数を重ねる度にみんなのテンションが下がっていき、やがて「なぜ俺たちには彼女がいないのだろうか」なんて議題を真剣に語り始めた。うん、エロいのがダメだと思うよ?
そして現在、とうとう松田が精神的崩壊を来たし、滝のような涙を流しながら床に突っ伏した。そんな彼の姿に感化されたのか、イッセーと元浜も一緒になって泣いていた。なに、このカオス?
でも元浜の、女子に体育館裏に呼ばれたと思ったら、生まれて初めてかつあげされた、っていう話は確かに悲しいね。僕もちょっとウルって来ちゃったもの。
ああ、そうだ。結局、僕は女体の良さというものを最後まで理解できなかった。イッセーたちが懸命に「ここのコレが良い」だの「これのアレが素晴らしい」と解説をしてくれたけど、やっぱり僕にはよく解らないよ。だって、みんな最後にヤルことは一緒でしょ
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