Yui-MHCP001〜
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「違うよ・・・ユイちゃんはただのプログラムじゃない・・・」
「サキさん・・・」
咲は泣いていた。
「そうやって色んなことを考えて・・・感情があって・・・」
『咲さん・・・』
「ほら、聞こえるよね・・・?ここにもこうやって・・・作られたものだけど、立派に人間と同じ奴がいるんだよ・・・?」
『・・・自分じゃよく分からないッスけど・・・でも、オイラの考えや思いは本物ッス』
「・・・」
ユイがリパルを見て少しだけ頷いた気がした。
「とにかく・・・ユイはただのプログラムじゃない・・・もう俺達と同じだよ。自分の好きなように行動できるんだ・・・」
「コウハさん・・・」
そして・・・キリトがゆっくりと話し掛ける。
「ユイの望みはなんだい?」
「わたし・・・わたしは・・・」
ユイはその細い腕をキリトとアスナに向けて伸ばした。
「ずっと、一緒にいたいです・・・パパ・・・ママ・・・おにいちゃん・・・おねえちゃん・・・!」
・・・俺も、涙を抑えることは出来なかった。キリトとアスナはユイを抱き締め、咲はその場に泣き崩れてしまった。
「ずっと、一緒だよ、ユイちゃん」
「ああ・・・ユイは俺達の子供だ。家に帰ろう。みんなで暮らそう・・・いつまでも・・・」
・・・だが、ユイは・・・首を横に振った。
「え・・・」
「もう・・・遅いんです・・・」
「なんでだよ・・・遅いって・・・」
そもそもユイが記憶を取り戻したのは、この部屋にある石机に触れたからだそうだ。これはGMがシステムに緊急アクセスするためのコンソールだそうだ。実体化したさいのバクで記憶を無くしたユイが記憶を取り戻したのもコンソールからデータを受け取ったから・・・そしてさっきのはオブジェクトイレイサー・・・つまりは何でも消せるプログラムをモンスターに使った・・・それで破損した言語機能も復元できたのだが・・・カーディナルはユイを異物と捉えたのだ。
「酷い・・・なんで・・・」
「なんとか・・・ならないのか・・・!」
「・・・みんな、ありがとう。これでお別れです」
「嫌!そんなのいやよ!!」
「そうだよ!まだ・・・まだ思い出を作ってないよ・・・詠だって亞莎だって待ってるよ・・・」
「暗闇の中・・・いつ果てるとも知れない長い苦しみの中で、パパとママの存在だけがわたしを繋ぎとめてくれた・・・おにいちゃんやおねえちゃんにも詠お姉ちゃんやアーちゃんにも・・・色んな人と繋がれた・・・」
「ユイ、行くな!!」
「嫌だ・・・俺の目の前で・・・また・・・!ユイ・・・!」
「おにいちゃん・・・サチさんのことも・・・助けてあげて・・・」
「・・・!」
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