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Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
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一羽の鴉
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青年の向ける視線の先に佇む俺の機体。
戦術機、と言う物は分からないが、そこに沈んでいる機体の総合的な名称なのだろう。
そして、確かに俺の機体はかなり問題になる。この世界に俺と同じような人間が他にもいるかは分からないが、俺の存在と俺の機体は中々に危ない存在であると俺自身はっきりと認識している。
この世界の技術がどう言う物かは分からないが、俺の元居た世界とは使われている技術は異なるだろう。同じ人型機械なのだから、ある程度は同じ可能性はあるかもしれないが、動力源や回路の仕組みなどは多かれ少なかれ差異が出てくる筈。
その多少の差異がこの世界にどれだけの規模で何かを起こすか分からない以上、俺とACの存在はなるべく知られない方が良い。
そう考えると一番最初に出会った人間がこの青年でよかったと心から思う。この青年が俺と同じような境遇じゃなかった場合情報源を絶つために殺していただろうから。今までにも人は数多く殺してきたが、俺自身進んで殺していた訳じゃない。殺さずに済むなら、当然そちらの方が良いに決まっている。
と…話が逸れたが、確かにこの大きさの物を隠すのは中々に難しい。それなりの機材があれば隠せるだろうが、辺りを見渡しても、何処までも見える地平線。つまりこの大きさの機体を隠せる物など何もない。
「…取り敢えずその戦術機は此処に置いておきましょう。ここら辺にはまず人がいないので大丈夫です。一応俺にこの機体を隠せてもらえる心当たりがあるので、そちらに向かいましょうか。その途中で色々説明したいと思います」
この周辺には人がいない…か。
まぁ周りを見渡せば、その言葉は納得がいく。この建物の形は知らないが、どう考えても人が住む建物だと分かる。その建物が全て壊れている以上、何かしろの被害にあったのだろうと予測出来る。
しかし、その被害が視界に写る物全て、か。この世界は俺の居た世界以上に荒れているかもしれない。少しばかりそんな不安が俺の中に生まれる。
「そうしてくれると助かる。重ね重ねすまない。感謝する」
「そんな気にしなくていいですよ。俺も最初は混乱しっぱなしでしたから。…そう言えば俺の名前を教えてなかったですね。俺の名前は白銀武です」
「シルバ・アルザークだ。宜しく頼む」
「宜しくお願いします。それじゃあ時間を無駄にしたくないので直ぐにでもいきましょうか」
「分かった」
時間を無駄にしたくないと言った青年の姿は何処か焦っているようにも見える。先程まで多きく構えていたように見えたが、俺に害はないと判断したのか、気が抜けたようだ。
何故焦っているのか聞きたい所でもあるが、それを聞くのは後でもいいだろう。今は取り敢えず青年について行けばいい。
…それにして
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