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Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
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一羽の鴉
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日本の横浜?戦術機撃震?
今までに聞いた一度も聞いた事のないワードに同様を隠せないと同時に、混乱してしまう。先程から意味不明な事ばかりだったが、これはかなり深刻な問題かもしれない。
見知らぬ風景に建物。そして知らぬ土地に知らぬ機体。
情報が戦場を制すると思っている俺は常に最新の情報を持っている。そんな俺が此処まで知らない情報に見舞われるとは思っても居なかった。
…本当に此処は俺が居た世界なのか?などと言う滑稽な発想まで浮かんできてしまう。…あり得ない。頭の中ではそう思っていても、心の何処かでは自分の居た世界ではないと叫んでいる。しかし、実際に異なる世界、と言われてしまえば納得できてしまう状況でもあるのだ。
「あなたはこの世界の人間ではないんじゃないですか?」
俺が混乱している最中に、そう青年から聞かれ、自分の心臓が激しく脈打つのが分かった。
「…何故そう思う」
「否定しないって事は自分でも分かってるんじゃないですか?此処が自分の居た世界とは違う事を」
この青年は何か知っている。そう思い、銃口を下に向ける。
「話を聞かせてもらいたい。お前は俺に何が起こったのか知っているのか?」
俺が銃口を下げたことを気配で感じたのか、青年は俺の方を振り返り、その真っ直ぐな瞳が俺を捕らえた。曇りのない綺麗な色をしている。…薄汚れている俺とは違う種類の人間だとすぐ分かる。
「全ては分かりませんが…ある程度の事なら分かります。俺もかなり特殊な人間ですから」
そう自傷気味にいった青年の言葉には色んな感情が含まれていた。嘆き悲しみ、怒り、喜び。色んな感情が混ざり合ったその言葉は、途轍もなく重い言葉に感じた。
予想に過ぎないが、この青年も俺と同じような境遇にあるのかもしれない。この景色に見合わない格好も、この青年が待とう気迫も全てその境遇がしたのかもしれない。あくまで憶測に過ぎないが、恐らくは合っているだろう。
「そうか…悪かった、いきなり銃を突きつけて」
「いえ、いきなり自分の知らない土地に着たら誰しも混乱しますよ」
本当に肝が据わっている。本当は見た目どおりの年齢ではないのではないか?などと言う疑問まで抱いてしまう。見た目は若くても中身は俺より年上なのではないか、と。
「そうか…ありがとう。それで?俺はどうすればいい?」
今俺が置かれている状況を理解するにはこの青年に従わなければならない。この短いやり取りで青年が俺を如何こうしよう、と言う考えはないと分かるが、一応警戒はしておこう。
そう考え、何時でも銃を取り出せるよう、足に巻かれているホルダーに銃を通しておく。
「もう向かう先は決まっていますが…その戦術機はどうしましょうか」
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