第五章 『魔への誘い』
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位置していたため、ネギはその存在にようやく気が付いた。そして同時に、それがどこへ繋がっているのか見当も付いた。
「あれって……もしかして魔界に繋がっているんですか!?」
ネギの問いかけに対して、アルは肯定の代わりに首を縦に振った。そしてネギは驚いていた。
もともと人間界と魔法世界では、圧倒的に前者の方が魔界との繋がりは強い。しかし太古の昔、人間界と魔界との間に世界を断絶する壁が作られ、これがフィルターの様な役割を持っていた。その為現在では、魔法世界は人間界(旧世界)よりも魔界との交流が多く、魔界出身の魔族が魔法世界では見られる程には交流は活発なのである。
しかし魔界への扉を開くには、流れ込んでくる瘴気や凶悪な魔族への対策も兼ねて、大掛かりな儀式と機具が必要なのである。
それにもかかわらず、あの空間に現れている裂け目はなんら儀式がなされた跡も瘴気を軽減させる装置も見られなかった。ただ魔法世界と魔界を直結させているのである。
「魔法世界と魔界を直接繋げるなんて! そんな事」
「ええ、本来なら難しいです。そらく原因は、魔法世界(こちら)と旧世界が、局地的にではありますが繋がったからでしょう」
つまりアルが言うには、ここは旧世界と魔法世界が混在しており、魔法世界であるものの魔界との繋がりが近くなった。その為、賢者の石を使うことによって魔界へ直接繋げる事ができたという事だ。
「彼らは麻帆良学園へ繋げると同時に逃げ道も用意していたと言うわけです。もっとも、彼らが麻帆良学園へ繋げたお陰で我々もこちらへ来れたわけですが」
アルが言うように、敵には逃げられたものの、彼らが援軍として駆けつけることができたのだ。彼らが駆けつけなければ、結果はより悪いものになっていただろう。
「ですが魔界に繋がったことで、“悪い知らせ”と“悪い知らせ”と“悪い知らせ”が出来ました。どれから聞きたいですか?」
「あの、良い知らせが一つもないんですが……」
こんなラインナップから選べと言われても、ネギとしては選びにくい。なにより悪い知らせしかないのに選ぶ必要があるのかと、疑問も浮かんできた。
しかし話を先にすすめるには、全て聞かなければならない。悪い知らせしかないのなら、せめてマシなものから聞くことにネギは決めた。
「じゃあ、一番マシな知らせからお願いします」
「分かりました、一番良い知らせから話しましょう。あの空間の裂け目は、ご存知の通り魔界へと繋がっています。その魔界から流れ込んでくる魔力のお陰で、魔法世界の崩壊は少し停滞しているようです」
魔法世界の崩壊が停滞している、という知らせはネギを一瞬喜ばせた。少し悪いどころか朗報だ。
だがすぐに、その知らせはあまり喜べないものだと悟り、少し悪い知らせという意
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