第三十八話
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方だった。
「ハァッ!」
PoHは足刀《半月》に防がれたその場所を利用し、足元からの俺の頭へと昇ってくるかのような袈裟切りを放って、俺の腹から頭にかけて切り裂かれるようなことになる――と、奇妙な感覚が告げたため、防ぐことよりも急いでバックステップをした結果、PoHの袈裟切りは俺の代わりに空を切ることとなった。
「無駄みたいだな、PoH……今の俺には、『何か』が見えている……!」
『何か』とぼやかして言ったものの、俺には何なのかがなんとなく感づいていた。
俺が先程から先読み出来ているのはPoHの斬撃の軌道……すなわち『恐怖』そのものに他ならない。
PoHの斬撃という名の恐怖を予測する線、言わば《『恐怖』の予測線》と言ったところである……一流の達人は殺気を読んだりといったことが可能であるというが、まさか、殺気ではなく『恐怖』を読むことになるとは、なんとも情けない限りの弱さである。
だけれども、『恐怖』を読むことなど、俺ほどの弱さがないと出来ないことだろう……ああ、恐怖の予測線が発現したのも、もう自らが弱いと開き直ってしまったからだろうか。
「今度はこっちから行かせてもらうぜ……!」
日本刀《銀ノ月》を鞘に入れ直し、まずは様子見にクナイを三つほど投げるが、PoHは身体を微動だにせず包丁の動きだけでクナイを弾く……そのクナイを弾く動きには恐怖の予測線は働かなかったので、俺に向けて攻撃を放たない限り恐怖の予測線は視れないらしい。
「刺突術《矢張月》!」
この戦闘が始まって一番最初にPoHに向けて放ち、軽々と避けられてしまった刺突術《矢張月》であるが、俺の戦線を開く技としてはこれ以上ないほど相応しい技はない。
もう何度か見せた技だ、当然PoHには避けられてしまい、痛烈なカウンターの恐怖の予測線が俺の肩口から胸にかけて走ったので、足刀《半月》で攻撃を外した隙を埋めるようにPoHに攻撃を仕掛けて、結果的にPoHのカウンターを止める。
「まだまだ!」
俺の日本刀《銀ノ月》よりPoHの友切包丁の方が、遥かに攻撃の速度が速いのだ……故に、PoHに息をつかせないほどに攻撃をしなければ反撃を喰らう。
刺突術《矢張月》をして突きだしていた日本刀《銀ノ月》を横に凪ぐように振るってPoHに攻撃するが、PoHは小さくジャンプして空中で一回転することで俺の横凪ぎを避けながらそのまま包丁を振るう。
だが、不確かながらも接近戦による《恐怖の予測線》による、三秒程度の相手の攻撃の先読みは絶大なアドバンテージを誇っており、容易く恐怖の予測線から友切包丁を避け、足刀《半月》の刃付きの蹴りが空中で身動きが出来ないPoHへと炸裂する。
自らの超反応と包丁のスピードを生かして、俺の足刀《
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