ある老人の最後
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した。
最近は私たちとの結婚を望む者も出て政治問題化しかかっています」
永遠に老いないパートナーの出現。
当たり前のように、結婚の減少に繋がるからこの老人が手回しをして税金の増額という形で対策を講じていた。
そのくせ、人間同士の結婚をして子供を作っているのならば回避できる、つまり彼女達を妾として扱う限り目をつぶるとしたあたり、この老人は人の欲を知り尽くしていた。
「言っただろう。
『可愛いは正義』だと」
その人を食ったような老人の一言に、二人だけでなく副官まで笑ってしまい少しの間空気が弛緩する。
実際問題として士官学校での成績は年を追うごとに彼女達アンドロイドが上位を独占することとなり、軍部でも問題になった事があった。
それを、
「士官学校の席次が何だ。
機械に勝てないような人間が帝国相手に生き残れると思うか?」
の一言ではねつけながら、卒業後の彼女達の任官を准位にするなどの待遇面で格差を作る事で解消したついでに、軍制をいじって代将と上級大将職を作り方面軍を新設。
常時10人以上の上級大将、30人以上の大将、100人以上の中将に、1000人以上の少将職に数万の准将職と戦時に消耗される将官の補充を容易にする即応体制の強化につとめたのだからこの老人かなりの狸である。
だからこそ、この国の市民は後に彼の事を『自由惑星同盟中興の祖』と再評価しているのだが。
なお、同年代の市民からは政治家として壮絶に罵倒された上で失脚したという事になっている。
730年マフィアの後継者として誰もが認めたイゼルローン回廊戦。
この戦いで建設途中のイゼルローン要塞に複数のワープ装置をつけた小惑星をぶつけて完全破壊した事で帝国軍は人材面の枯渇だけでなく財政面からも完全に崩壊。
以後20年近く大規模侵攻ができなくなるという平和の果実を自由惑星同盟にもたらしたのである。
その時間を政治家に転身した彼は無駄にしなかった。
社会インフラの再建に膨大な資金を集める為に同盟領辺境に特区を建設してフェザーン資本を導入。
フェザーン資本の特区は開発人材確保の為に帝国から農奴を買ってきて辺境開発は加速。
同盟はフェザーンと共に特区内の社会保障と教育を農奴に施す事で、彼らに自分の立場を分からせて、同盟かフェザーンに亡命させるかという選択肢を与えて帝国の体力を確実に削いでいったのである。
そして、巨額の社会保障費用と辺境開発費用の捻出で評議長の椅子を失脚という形で追われる代償に、これら特区の主権をフェザーンに譲渡する事で解消。
いくつかの恒星系と五個艦隊を保有する星間国家を帝国の隣に作り上げたのだった。
フェザーンに巣食っていた地球教はこの動きに完全に後手に回った。
730年マフィア時に彼
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