第八十七話 運動会
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闇慈が人間界に戻ってきて一週間後、そして体育祭当日となった。闇慈は何時も通りになり、この一週間の間に遅れていた練習を取り組んだ。
前半の部では徒競走などの全体競技が執り行われ、オカルト研究部の部員と闇慈はほとんどの種目をトップで終えていた。
「でも、僕達ってある意味せこいことやってるよね?」
「気にしちゃダメだぜ?闇慈。俺達は全力でこの体育祭に望んでるんだ。それで良いじゃねえか」
闇慈の疑問に一誠が答える。確か悪魔や死神の力は身体能力までも引き上げてしまうため、生身の人間と比べるのは月とスッポンだった。しかし一誠は全力でやると言う事に意味があると言う事を闇慈に言い聞かせた。
「確かに全力でやらないと僕自身にも言い訳がつかないし、周りに失礼だと思うな。じゃあ・・・僕は次の種目には出ることになってるから応援、よろしくね」
「おう!!」
闇慈が出場する種目は『借り物競争』だった。この種目は足の速さだけじゃなく、何を借りれば良いのか瞬発力や運も試される。この種目は一筋縄には行きそうになかった。
(さてと・・・借りるものが簡単な事を祈るよ)
そしていよいよ、闇慈の出番となった。相手の中には運動部の男子生徒が混じっていたため遅れると負けてしまう恐れもあった。
「位置について・・・よ〜い!!」
スターターがピストルを上に向けると・・・
パーン!!
引き金を引き、スタートを切らせた。闇慈は逸早く借りるものが書かれた台に辿り着く。そして闇慈は一つの折りたたんだ紙を取り、その内容を確認した。しかしその内容を見た闇慈は目が点になった・・・
(な ん だ ・ ・ ・ こ れ ?)
【大切な人】
(ちょっと待って!!訳が分かんないよ!?それにこれって下手したらプライバシーの侵害じゃないの!?)
そこは作者による都合と言うもので勘弁してほしい by作者
(何か今変な声が聞こえたような気がするな・・・って不味い!他の人達も借り物に行っている!!・・・仕方が無い!!)
闇慈が急いで【大切な人】を借りる・・・もとい呼びかけるためにその人の元に急いだ。名前は言うまでもないだろう。
「小猫ちゃん!!君の力を貸して!!」
「・・・勿論です!!」
闇慈は小猫の手を取って一緒に走り始めた。しかし戸惑っていたせいもあったのか一番の生徒はもうゴールの手前まで迫っていた。そして闇慈と小猫の身長差もあるのか早く走ることが出来ない。
「闇慈先輩!このままじゃ1位を取られてしまいます!!」
「分かってる!!方法は無いわけじゃないけど・・・こんな大衆の前でやるのは・・・背に腹は変えられない!!先に謝っておく!ゴメン!小猫ちゃん!!」
「・・・えっ!?」
小猫の声
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