フェアリーダンス
新たな生活
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ごほっ!!ごほっ!!」
優は部屋の中で咳き込み、蹲った。
「クソッ……茅場の野郎…マジでやりやがって……後遺症がひでぇじゃねえか……」
そう呟き、のろのろと立ち上がる。ちょうど鏡に自分の顔が映ったとき優は苦笑した。その顔はあまりにもひどく、蒼白していた。
「ひでえ面だな。自分の招いた結果なのに……」
そして優は机においてある薬を掴み、書かれている数通りに飲む。その時ちょうど携帯電話がなる。知らない番号からだった。
「もしもし」
「あ、ゲツガ君。体は大丈夫かい?」
電話の相手は、菊岡という政府の役人だった。
「菊岡……さんか……なんのようだ?つうかなんで俺の番号知ってんだ」
「僕に出来ないことはない。ちょっと君にキリト君から伝えといて欲しいと言われたからね」
「なんであいつが?俺の電話番号知ってるのに」
少し疑問が浮かぶが考える暇を与えず菊岡は話しかけてくる。
「まあ、気にしない。気にしない。とりあえず、ゲツガ君」
「その呼び方はやめてくれ」
「ああ、ゴメンね。白の英雄君」
「その言い方もやめろ。リアルでは如月優だ」
そう言うとキリト君とは違った注文をするねと、笑い声が聞こえた後、本題に入るようにさっきよりほんのちょっとまじめな言い方をする。
「本題なんだけど、SAO事件がまだ続いているかもしれない」
「……どういうことだ?」
「君達によってクリアされたはずのSAOにまだ未帰還者が三百人いる。あの学校のパンフレットの封筒あっただろう、あの中に名簿を入れているから後で確認しといてくれ。君は最後に茅場晶彦と話していないかい?」
SAOがまだ続いている。茅場は確かに全員解放すると言った。あいつはこんな数百人を閉じ込めておく必要があるのか?それよりも、菊岡はそんなこと俺に言う必要があるのか?分からなかったので優は知らないといった。
「そうか、ありがとう。君はキリト君のように何か知りたいことはないかい?」
そう聞かれたので、皮肉混じりに言った。
「あんたたちからもらったあの薬よりもいいやつを頼むよ。体がまだ、ぜんぜん駄目だ。あの薬で本当に治るのかよ」
「そうか。じゃあ今度送っておくよ。身体を大事にしておいてね、白の英雄君」
そこで電話を切られる。優は電話を置いた。
「白の英雄……そんな呼び名……欲しくねえっつうの」
そしてさっきの話しのことを考えて呟く。
「まだ続いてるって言うのか……あのデスゲームは……それともお前らの仕業か……」
優は机に置かれた、二年間もの間、約一万人近くの人を電子檻の中に閉じ込めた枷、ナーヴギアを見た。
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