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フェアリーダンス
新たな生活
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 ドームの中で二人の男が戦っていた。一人は白いコートを着た男。その男は右目にダメージを負っているのか赤い線が付いている。それに片腕もなくなっていた。

「はあ、はあ、はあ」

 コートを着た男は大きく肩で息をしながら相手の姿を見る。紅衣の騎士が見える。しかし、顔はぼやけていてうまく見ることが出来ない。

「はあああああ!!」

 紅衣の騎士に向かって剣を振り下ろすが当たったにもかかわらず感触がまるでない。そして腹に鋭い物で刺された痛みが走る。腹を見ると剣が自分の体を貫いていた。喉元から何かが上がってくるのを感じる。

「はぁ!!はあ……はあ……はあ……夢か」

 目が覚めて、辺りを見回す。右目はあのときに麻痺して、まだ回復していないためぼやけて見える。右手で目を擦ろうとしたがその手を止める。この腕も切られたときの影響なのか感覚がまだ麻痺しているようであまり感覚がない。他にも内臓の一部も麻痺している。

「くそ……この家に来て初めて夢がこんなのなんて縁起が悪いにもほどがあるだろ……」

 そう呟いて、自分の左隣にある時計で時間を確認する。

「五時……か……」

 布団から出て、背伸びをする。そして自分の部屋の入り口のふすまを開けてまだ日の昇っていない空を見上げた。

「お前の言う通り、俺は生きてたよ……ユキ」

 如月優は暗い空に向けて言った言葉は消えていった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 優は一ヶ月間の激しいリハビリをして家に帰ることになった。二年もこの世界にいなかったことによりたくさんの情報が抜けていたため色々と驚くことがあった。まず、驚いたことはお袋が再婚していたということ。俺が閉じ込められてから心中しようと六歳まで住んでいた福岡に行ったらしい。その時に止めた男の人と再婚したらしい。その人が俺の義父さんになるわけだが、その家がすごいの何ので驚きもした。

 その家は結構古くからある有名な道場で、自衛隊などの訓練や武道家などを育成しているらしい。大きさはキリトのうちの広さの二倍あった元俺の通ってた道場の四倍は合った。ほんとにすごいと思う。

 家族構成は俺のとこと少し似ている。義父さんの奥さんは持病があり、そのせいで二年前に他界したらしい。そして、二人の兄妹。兄の名前は久代純。十六歳。俺と同い年だった。もう一人は久代美奈。十五歳でカズの妹の直葉と同い年だった。

 で、現在、俺は義父さんの親がやっている道場の中にある家に住んでいる。義祖父さんは六十後半なのに相当タフな人で、現在もその腕は道場の中で一番らしい。俺はこの家に来たのは、昨日の夜で義父さんとお袋、義祖父さんにしか会ってない。しかし、お袋が言うには、二人とも、あなたの顔は病院にお見舞いに行ったとき見ていると言ってい
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