1話
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のが辛くて、そんなセシルに気遣われる自分がとても矮小でちっぽけの存在に思えて苦しかった。
その苦しさはセシルが兄の眠る墓石を見てその横顔が自分に向けられるものとは違ったことで確信した。
(僕はここにいちゃ駄目だ)
薄々感じていたことだ。セシルは弟である自分がいては姉のまま無理をして悲しむことが出来ない。そしてそんな気遣いに甘える、気遣いさせたままの弱い自分でいるのもいやだ。
(俺、兄貴みたいになれるかな。セシル姉を守れるぐらい何か出来る男に)
ロイドは兄の墓前に誓い、セシルやレイエス家のおじさんおばさんが引き止めるのをカルバート共和国に叔父さんがいるからと断りクロスベル自治州を離れることになる。
兄貴のような強い男になる。
ロイドの胸には唯一つそれだけが秘められて故郷を後にした。
七耀暦1201年、ロイド・バニングス15歳のことだった。
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