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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
予行訓練
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キリトは腰を落として、テツオは盾を正面に構えた。

パシュッ、と少し情けない音と共に3匹の口から、前衛3人に向けて1つずつ水弾が飛んでくる。
当たってもそれほどたいしたダメージは受けないが、移動阻害のバッドステータスを付与されるので厄介だ。
けれども、こんな遅い水弾を無抵抗でくらうような事はしない。

アスカは攻略組でもトップクラスの敏捷値で斜め前に走って避ける。
隣ではキリトは片手剣を大きく横振りして水弾を弾き飛ばし、テツオは構えていた盾で防御。

アスカは自身の水弾を飛ばしてきた亀に狙いを定めて走り出す。
水弾攻撃はこのモンスターが使ってくる攻撃の中では比較的技後硬直の長い技だが、それでも4秒程度。
モタモタしていると、すぐさま頭を甲羅の中に引っ込めてしまう。
普通に走っては間に合わない距離だと判断して、アスカは細剣を体の胸の少し下で敵に向けて真っ直ぐ構える。
細剣に純白のライトエフェクトが輝く。

助走で勢いの付いていた右足で地面を蹴ると同時に、アスカの体が凄まじい速度で飛び出す。

〈細剣スキル〉突進技、〈フラッシュ・スラスト〉。

白き弾丸となって亀との距離を一瞬で詰めたアスカは、最大限の集中力を要して細剣の切っ先をコントロール。
剣先を頭のクリティカルポイントへと当てようとする。

勢いよく亀の頭に突き込まれた場所からはクリティカルポイントへのダメージ特有の激しいライトエフェクトが迸った。
頭を無防備に晒した状態で動かない亀。

「ダッカー、スイッチ!」

と、アスカが叫ぶと同時に横から後衛で控えていたシーフのダッカーが飛び出す。
短剣使いとしてかなり上げているらしい敏捷値で接近すると、オレンジ色のライトエフェクトを纏わした短剣での4連撃を頭へと叩き込んだ。
そこで技後硬直時間が終了した亀が甲羅の中に頭を引っ込める。
素早くHPバーを確認すると、全体の3分の1が減っていた。

「今の感じでいいよ」
「よっしゃ!」

隣での会話から、どうやらキリトとテツオも成功したようで、同じくらいモンスターのHPバーが減少している。

「じゃあ、次はケイタ! ササマルはキリトと!」
「「分かった!」」

アスカは後衛で控えている2人へと指示を出しながら、残っているもう一匹の亀へと走り出した。


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