アインクラッド編
予行訓練
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さん練習できるから安心だな」
何故か少し誇らしげなキリトから視線を外し、ケイタへと話を振る。
「ケイタたちはどんな風に戦ってきたんだ?」
その質問に〈月夜の黒猫団〉の全員――特にテツオ――が気まずげな表情になる。
「実は僕たち第40層での戦闘経験はほとんど無くてさ・・・・。一度フィールドに出たんだけど、後衛の僕たちだけじゃなくて、前衛担当のテツオのメイスでも一度もクリティカルポイントへの攻撃に成功しなくて・・・・・・1体を全員で取り囲んでひたすら甲羅の上からぶっ叩くだけだった・・・・」
「ただのリンチだった・・・・」とダッカーが付け足す。
「それじゃあ、今まではどこでレベリングしてたんだ?」
「38層の〈蜂山〉でずっと戦ってた」
「あそこかー・・・・・・確かにあっちの方がレベリングの効率はいいよな。わたしも結構通ってたし」
「カメの相手をしているよりはよっぽど効率はいいか・・・・」
ケイタが言っている〈蜂山〉とは第38層フィールドの山の頂上にある、効率の良いレベリングスポットのことだ。
山奥の巣穴から高ポップ率で出現してくる蜂型モンスターは、攻撃力は高いがHP、防御力共に低い。
なので、攻撃パターンをきちんと把握しておけば、ハイペースで倒し続けることが可能で、多くの経験値が見込める。
つい最近までアスカも時間を見つけては、パーティーあるいは1人で〈蜂山〉へと通っていた。
さすがに攻撃力が高い危険なモンスターの狩りを1人で行うような命知らずはアスカ以外にはキリトしかいなかったが。
いつも夜遅くに言っていたため、遭遇することがなかったのだろう。
「うん。だから、あまりカメの相手をすることには慣れてないかな」
「そうか」
「でも、元からわたしとアスカで狙うつもりだったから、大丈夫だろ?」
「まあな、テツオのメイスじゃあれは無理だ」
〈血盟騎士団〉のパーティーのメイス使いや斧使いもクリティカルポイントへの攻撃を行えずに、結局終始ごり押しで倒していた。
「今日の戦闘で俺とキリトとのスイッチのタイミングを掴んでくれたらいいよ。それと・・・・」
アスカは言いながら目をキリトの左隣、サチへと向けて今日の本題を訊ねる。
「・・・・サチはどっちにするか、決まったか?」
可能な限り優しい声音で問うと、サチは申し訳なさそうな表情になる。
その表情からアスカは既にどちらを選択したか理解していた。
「・・・・やっぱり、後衛でいいかな。ゴメンね、決心付かなくて」
うっすらと涙まで浮かべそうになるサチ。
すると、アスカが返事をするより早く、隣に座っているキリトが言う。
「いいよ、気にしなくても。焦って答えを探す必要もない」
「キリト・・・・」
「困った時に支
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