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100年後の管理局
第八話 六課、誕生
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、『万能ロストロギア』として非常に有名になっているほどである。
そんな戦力を一点に集中しておいて、理由がたかが急増事件の対処だけでは理由が弱い。
グレイルとアリスはわずかににらみ合うが、ほどなくしてグレイルが先に根を上げた。
「はぁ………。やっぱりアリスには隠し事ができんな。」
両手を挙げ、降参のポーズをとるグレイル。
「さて、それじゃあ語ってもらおうかしら。本当の理由を。」
「ああ。ただ、割と機密情報も入ってるからこのことは他言無用な。」
そう前置きしてグレイルは語り出した。


「結論から言ってしまえば、現在次元世界全体はその存続の危機に立たされていると言っていい状態にあるからだ。」
「「へ?」」
「もう少し詳しく言ってもらえないかしら。」
あまりに事が大きくなってしまいあっけにとられる誠也とひさめ。それとは対照的にアリスは冷静にグレイルに要求する。
「ならまずは新部隊を設立する理由だな。」
グレイルはアリスの要求にこたえ、さらに指を一本立てて語り出す。
「一つ目は単純に手が足りないんだ。現在も一課から五課までの人員を総動員して事態の解決にあたっているけれど、まだ人手が足りない。ただ、これは人員の増加をした方が有効的だし、新しい部隊を作る理由としては弱い。」
グレイルは二本目の指を立てる。
「二つ目、ロストロギアが狙われていることだ。これが新部隊を設立する主な理由だな。ひさめも先日ロストロギアが狙われただろう?」
「うん。なんか急に黒ずくめの人達に渡せって言われて。」
「おそらくそいつらも同一組織だろうが、最近黒ずくめの人間がロストロギアを強奪しようとする事件も時間遡航未遂に平行して増えているんだ。」
「ちょっと待て、グレイル。なんでここでロストロギアが関わってくるんだ?黒ずくめの人間がロストロギアを狙っているからって、それが時間遡航と一体どんな関係があるっていうんだ?」
誠也が疑問を口にする。正史管理課は時間遡航を可能にするようなロストロギアが発見された場合にのみロストロギアに関与するはずで、基本的にはロストロギアに干渉したりはしない。なのになぜここでロストロギアが出てくるのか。
しかしその答えはグレイルではなく、アリスから発せられた。
「時間遡航を援助している組織と同一の組織がロストロギアを狙っている。そしてそれが最近判明した。そんなところでしょ?」
「アリスの言う通りだ。確かに黒ずくめの奴らが時間遡航に直接関与しているという証拠はどこにもないんだが、ただすでにロストロギアを狙った時間遡航が何件か確認されているんだ。」
「なんやて!?」
ひさめが驚きの声を上げる。
ただでさえ時間遡航は多くの危険を孕んでいて、実行されてしまうとその対処は非常に慎重にならざるを得ない代物なのに、そこに未知の塊である
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