第八話 六課、誕生
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体どんな関係があるの?」
アリスは首をかしげ、グレイルに問う。
時間遡航に関する案件はほぼ全て正史管理課という部署が一括にそれらの事件を担っていると言っていい状況にある。
急増した事件に対応するのが目的ならそもそも正史管理課に直接言うのが筋であり、わざわざアリスたちを集めてそれを話す必要がない。
ならば、一体何故なのか。
「もちろんある。今度俺たち四人を中心とした新部隊、正史管理第六課を設立するからだ。」
「「ええ!?」」
「………。」
誠也とひさめは驚きをあらわにするが、アリスは特に驚きを表せるわけではなく、眉根を寄せ、少々険しい顔でグレイルの話の続きを聞こうとしていた。
「急激に増加した事件に対処するには現状の一課から五課では対応が無理になり始めてきたらしい。それで上の方から俺に新部隊設立の提案があったんだ。」
「さすがだな!グレイル!」
「出世やな〜。」
「……。」
誠也とひさめはグレイルの言葉に疑うことなく喜びを露わにしているが、アリスは違った。その瞳には疑いの光がありありとみて取れ、誠也はそれを見て疑問に思う。
「なんだよ、アリス。嬉しくないのか?」
「そんなことないわ。ただ喜ぶ気持ちよりも疑いが強いだけ。」
アリスはグレイルの方へと自身の体の向きをただし、強い語調で問いかけた。
「グレイル。ウソをつくのは良くないと思うわ。」
そんな問いかけにグレイルはわずかにぴくっと眉を動かす。
「何のことだ。」
しかし、そんなことは無かったかのようにふるまう。
けれどもそれが逆にアリスの猜疑心をあおる。
「いえ、おそらく嘘は言ってないでしょうね。だけど、いくつか隠している内容があるはずよ。」
「そう考える根拠は何だ。」
「新部隊設立の理由と私たち三人を集める理由よ。まず、上層部はたかだか事件の急増ごときで新部隊を作ったりしないわ。それよりも既存の部隊に増員を行った方が低いコストで同じだけの効果を得られるもの。」
新部隊を作るには、隊舎やその設備、さらには大量のスタッフなど様々なものを新しく用意しなければならない。それに対して既存の部隊に新しい人員を増員するだけなら、その増員人数に対応したある程度の設備費とスタッフの人件費のみなので新部隊設立よりも低コストで済んでしまう。本当に急増した事件に対処するだけならば、人員を単純に増加させるのが最も有効な策なのだから。
「それに私たち三人を一部隊に集めておいて、その理由が急増した事件の対処だけだなんて事があり得るかしら。」
高町誠也、アリス・T・ハラオウン、八神ひさめ。
この三人は管理局の中でも非常に高い能力を持った武装局員として有名である。
挙げた戦果は小さなものから大きなものまで多数にわたり、管理局内外にはそれぞれ『管理局の白い最終兵器』、『管理局の黒い稲妻』
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