第二話「ヤンデレ怖いよヤンデレ」
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ない言葉が聞こえたんですけど……。
「ごめん、よく聞こえなかったみたいだ。もう一回言ってくれる?」
恐らく幻聴だろう。今度はちゃんと聞こうと集中するが、
「だから、死んでくれる?」
返ってきた言葉は無情な一言だった。
いやいやいや、可笑しいでしょ。さっきの流れからしたらここは、きゃっきゃうふふ、まてまて〜的な展開でしょ! なに、死んでくれって!?
――実は嫌われていたのか、俺は。
衝撃の事実に心が折れそうになる。でも、せめて何がいけなかったのか聞かないと。
「何か気に障ることしたかな」と口にする寸前、
バッ。
夕麻ちゃんの背中から、黒い翼が生えた。
黒い羽が舞い、俺の足元に落ちる。
――……は、ははは、なんだよそれ……。もう、何がなんだか分かんねえよ……。
俺の混乱は極みに達していた。次から次へと続く事態に理解が追い付かない。
「楽しかったわ、貴方との恋人ごっこ。初々しい感じがしてね」
夕麻ちゃんはそんな俺にお構い無しに話を続ける。冷たい口調。その顔には嘲笑の笑みが浮んでいた。ちょっと前までの彼女からは考えられない。
――ブゥン。
重たい音とともに夕麻ちゃんの手に光り輝く槍のようなものが現れた。
「貴方は私たちにとって危険因子なの。だから今ここで死んでもらうわ。何の神器か知らないけど、恨むならそれを与えた神を恨みなさいな」
夕麻ちゃんが手にしてる槍がヤバいものだってのは本能で理解してる。俺は、ここで殺されるのか……?
はは、なんだよそりゃ。好きな子に殺されるとかマジねえよ、畜生……。
俺は目の前に迫る『死』をただ黙して見ているしか出来なかった。
† † †
「ぶーん」
意味もなく頭にプロペラ生やして街中を飛ぶ。不可視の結界を張っているから騒がれる心配はない。
「ぶーん……んに?」
ふと眼下に視線を向けると、一組の男女が公園内を散策しているのが見えた。
あれは、イッセー……? ということは、隣にいる女の子が天野夕麻ちゃんかな?
「あれ? でもこの気配……」
あの女の子から感じられる気配はつい最近出会った堕天使と同じものだ。ということはあの子も堕天使なのかな? まあ、異種族での恋愛も珍しくないかな。堕天使っていうのが少し気になるところだけど、お互い好き合ってればなんの問題もないよね。
イッセーたちは公園で仲睦まじく手を繋いで歩いていた。
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