第一話「モットーは自由奔放ですが、なにか?」
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「うわっ」
流石は木場くんだ。まったくふらつかない。安定するなあ。
「レイくんか。また背後を取られちゃったね」
一瞬硬直する木場くんだが、僕だと分かると苦笑する。にふふ、まだまだ精進が足りんぞ、若人よ。
「そうだ、レイくん。今暇かい?」
「うん、ひまひまー」
超暇ですとも。
「じゃあ、一本どうかな」
「おー、やるやる〜」
木場くんとは今までにも何回か相手をしているから、何を言ってるのかはすぐに分かった。
そのままおぶさって、いつもの所に連れてってもらう。
「じゃあ、始めようか」
ついた場所は剣道場。そして眼前には防具をつけた木場くんが竹刀を正眼に構えている。切っ先がピッとしていて綺麗な構えだね〜。
「おー」
僕も竹刀を構え、意識を木場くんに向けた。
さてさて、楽しくいこうか!
† † †
今、僕は目の前の男の子、姫咲レイくんと対峙している。彼は強い。その見た目からでは想像もつかない程に。今まで何十回と彼と剣を合わせてきたけど、ただの一度も勝利したことがない。あの人の騎士としては不甲斐ないけどね。
相変わらずレイくんは防具も付けず制服姿のままだ。一度、何故着ないのか聞いてみたら「暑いし、邪魔なんだもん」と顔を顰めていたのを覚えている。本来なら無謀とも言える選択だが、彼の実力ならあっても無くても左程変わらないだろう。
「じゃあ、始めようか」
「おー」
彼は緩慢な動作で竹刀の切っ先を右下に向けて、右脚を一歩引いた半身の姿勢を取る。これが彼の構えだ。
「行くよ!」
床を蹴って一息でレイくんの眼前に迫り、頭目掛けて振り下ろす。出し惜しみはしない、全力でいく!
レイ君は一歩踏み出すことで躱すと同時に、彼の竹刀が跳ね上がった。逆袈裟懸け、僕の洞を狙ったカウンター! 僕は大きく外側に跳躍することで逃れると、反復横跳びの要領で間髪入れず床を蹴り、レイくんの竹刀を持つ腕を狙う!
パッ。
……ッ、竹刀から手を離して回避した!? レイくんは空中にある竹刀を片手で素早く掴み、そのまま振るう。
「くっ」
首を傾けてなんとか紙一重で避ける。なんてスピードだ、まったく見えなかった! 運よく避けれたから良いものの、次は無いだろう。
「まだまだいくよ〜」
のびのびとした姿に似合わず、その剣速は凄まじい。上下左右、縦横無尽に迫る剣を勘だけで捌く。これを片手でやっ
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