第一話「モットーは自由奔放ですが、なにか?」
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バーっと号泣する松田。無駄に熱いね。
元浜が懐から何かを取り出した。
「偏見と差別という名の荒波に傷ついた心は秘奥のDVDで癒すべきだ!」
イッセーの背をよじ登って肩車してもらい、DVDを見る。パッケージには色っぽい目をしたナースさんが胸元を開けて扇情的な格好をしていた。うん、エロDVDですね。ごちそうさまです。
「そ、それは、絶版ムチムチナースシリーズじゃねえか!」
「えっ、オークションで一枚五万はするっていうあの!?」
驚いた声を上げたイッセーが食い入るようにDVDを見る。
「フッ、良い買い物をしたぜ」
ニヒルに格好つける浜松。そんな彼らをクラスの女子たちは冷やかな目で見ていた。
「ホント、最低ね」
「野獣で変態」
「レイくんが穢れちゃうわ」
最後の女子、さっきと言ってること違うけど……。
「「「うっさい、犯すぞ!」」」
相変わらず最低だね、キミたち。ま、そんな彼らだからこそ、僕は今ここにいるんだけどね。にはは。
† † †
「「告白された!??」」
「お〜」
松田と浜松が声を揃えて驚く。かくいう僕も驚いた。
時刻は午後四時を過ぎたところ。授業はすべて終わり放課後タイム。
松田と浜松で談笑してたところ、イッセーがなにやらニヤニヤした状態で帰ってきたら「俺、告白されちゃったよ」なんてカミングアウトをした。
相手の子は天野夕麻ちゃん。昼休みに屋上に呼び出されたと思ったら、そのまま告白されたらしい。明日の放課後にデートをするようだ。いいねー、青春だねー。
見ると松田と浜松は血涙を流していた。久しぶりに見たよ、血の涙。
「イッセーがデートだとぉおおお!?」
「馬鹿な……エロの権化と称された変態に彼女だと……? 世界の法則が崩れるぞ」
「HAHAHA! 泣け喚け叫べ! 俺は明日、運命の階段を登る。そう、大人の階段って名のな!」
優越感に浸った様子のイッセー。だけど付き合い始め早々にそれは無理だと思うけどね。まあ、僕も恋愛したことなんてないから、絶対なんて言えないけど。
「頑張ってね〜」
ぎゃあぎゃあ言い合うイッセーたちにバイバイを告げて教室を出る。家に帰っても暇だし、どうしよっかな。
「んに?」
前方に知人のイケメンを発見! 彼の者、未だ我に気付かず。ここは、やはり……突撃ッ!
その背に走り寄り、飛び掛かる。
「木場くーん!」
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