第二章 A's編
第二十六話 『とある出会い』
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Side 月村すずか
私は放課後の事、アリサちゃんの家の車で途中の図書館まで送ってもらった。
「それじゃなのはちゃんにアリサちゃん、また明日ね。シホちゃんにもその事伝えておいてね」
「うん。それじゃバイバーイ」
「また明日ね、すずか」
二人とはそこで別れた。
ちなみにシホちゃんは今日の御夕飯担当だといって学校が終わったらすぐに商店街に向かっていった。
それで帰り際、夏休み頃から髪型を変えたポニーテールを揺らしながら私達に手を振っていった。
その光景を見て私はつい笑みを浮かべてしまった。
まだなのはちゃんやアリサちゃんには明かしていないらしいシホちゃんの秘密…。
元の姿は恭也さんより年上の成人男性で過去も含めてとても苦労してきたらしい。
私が吸血鬼だということで悩んでいたのが馬鹿らしくなるくらいの過去をシホちゃんは背負っている。
でもそれを表に出さないでいつも元気に過ごしているシホちゃんの姿は私を勇気付けてくれる。
それにシホちゃん自身、本当に元は男性だったのかな…? と首を傾げるくらい可愛いし、すごい女の子している。
理由はこの世界に来る際、世界からの修正でお姉さんの体に乗り移っていた為、その影響で性別はもちろん精神年齢その他とかも私達と変わらないくらいに塗り替えられたらしい。
記憶がある分、まだ少し男性の時の部分が残っているっていうけど…そこがまたシホちゃんの魅力を引き立たせている。
ここだけの話だけどキリッとしている時はとても格好よく見えて、だけど体育の時に着替えの手伝いを頼んでくる時のシホちゃんは、その…とてもしおらしい。
なんかシホちゃんはこの世界に来た当初から男性の時のように女性の体とかにはほとんど興味を示さなくなったらしい。
かといって男性に興味を示しているわけでもない。
俗に聞く性同一性障害ともちょっと違うらしくて、別に拒絶反応とかもない。
でも精神は完全に女の子。
少しややこしいけど…だからなのか、変わりに自身の体を見られるのが男女関係なく恥ずかしいと…そんな事らしい。
だから私はついつい色々なシホちゃんを見るのが楽しい。
特に私がシホちゃんを意識し始めた切欠でもある誘拐未遂事件…私を守る為に真剣な表情を見せた時のことを思い出すとまたどうしてか頬が赤くなるのを抑えられない。
女性同士って変に見られてしまうかもしれないけど、シホちゃんはもとは男の子。だから私も気持ちはできるだけ正直にいきたいと思ってしまう。
その事をお姉ちゃんに伝えた時はびっくりしていたけど、すぐにニヤリといった表現がとても似合う笑みを浮かべて、
『別にいいんじゃない? どう思うかはすずか自身の勝手なんだし周りがなんか言ってきたら堂々と言い返してやればいいのよ。でもその場合、シホちゃん
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