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【完結】剣製の魔法少女戦記
第二章 A's編
第二十六話    『とある出会い』
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とある夜中、海鳴の町のある一角の路地裏。
そこで数名の魔導師と一人の赤い帽子を被り、ゴシック風の服装…否、甲冑を着た少女がその手にハンマーのような形をしたデバイスを持ち戦闘を繰り広げていた。

「この、おとなしく捕まれ!」
「………」

魔導師達が杖から魔法を放つが少女はそれを焦る仕草も見せずただそのハンマーを的確に振りすべて叩き落した。

「弱いな…」
「なに…!?」
「お前達の魔力じゃ少しの足しにもなんないだろうけど…けど、面倒だけどお前等の魔力はもらう。だから…グラーフアイゼン!」
《Jawohl.》

…グラーフアイゼンと呼ばれたデバイスは、一瞬光り輝くことで主の言葉に応えた。
その後、魔導師達は抵抗空しくその場に叫びを上げながら倒れた。

「それじゃいただくぞ…」

赤い少女は片腕に持っていた茶色い本を掲げた。
書は開き、すると魔導師達の体からリンカーコアが浮かび上がる。
それに呼応して魔導師達も苦しみだす。

「お前達の魔力は闇の書の餌だ」

闇の書と呼ばれた本が輝きを放った瞬間、リンカーコアは死なない程度まで魔力を吸収した。
それで用が済んだとばかりに少女はその場から立ち去った。

「…やっぱ、あんな弱い奴等じゃ10ページもいかないか」
「“ヴィータ”、終わったか?」
「ああ、“ザフィーラ”。今回も雑魚だったけどな」

赤い少女――ヴィータと呼ばれた少女は名を呼ばれて振り向いた。
そこには青い狼――ザフィーラが並ぶように空を駆けていた。
ヴィータはいきなり現れたにも関わらず、驚いた仕草も見せずに淡々とそう答えた。

「そうか。しかしその表情だとあまり埋まらなかったか」
「ああ…あんなじゃまったく埋まらないな。できればもっと魔力がある奴がいれば世話しねーけどな」
「でかい魔力の持ち主か…最近感じる奴はどうなのだ?」
「ああ…たまに感じる奴か。まだ見つからない…」
「そうか。あれだけ我等にも感じるのだから蒐集すれば相当ページはたまるだろう」
「だな。それと、そいつとは別に一人…目星はついている奴はいるんだけど、な」
「そう、だな…」

そこで急にヴィータは歯切れを悪くする。
それに気づいたのかザフィーラも声のトーンが少し下がる。
二人は一つのモニター画面を展開した。
それを見ながら、

「“シャマル”に聞いた話だけど、こいつだけは少し気が引けるな」
「ああ。聞くに主の数少ない知り合いで唯一の友達というからな」
「メール友達だって、はやては嬉しそうに顔を綻ばせていたからな。だけど…」
「そうだな。いざという時は…」

二人は苦しい決意をしながらも画面の少女…シホ・E・シュバインオーグの事を見ていた。


◆◇――――――
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