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転生
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んな球体から声が出るんだ? しかも浮いてるし……)

 彼はそれらのことを数十秒程考えたが、当然結論など出るわけもなく、彼はそのうち考えるのを止めた。

「諦めるの早過ぎだろ。もうちょい頑張ろうぜ?」

「…………すみません。ここがどこかわかりますか? できればあなたが何者か教えてくださると嬉しいのですが」

 なぜ自分の思考が読まれていたか疑問に思ったが、いちいち気にしていては話しが進まないので、そういうものだと自己完結させ気にしないことにした。

「ここは俺が作りだした空間だ。そんでもって俺は神だ。位は一番低いけどな」

「あ、あぁ……そうですか。ありがとうございます」

 聞いてもいない神の位が出てきて少し戸惑ったが、欲しい情報は得られた。
 この流れからするとあの小説と同じことが起こることは容易く想像できる。だが、小説と一つだけ違う点がある。

(死後の世界じゃなくて作った空間か……これは小説とは違う展開になりそうだ)

「なんだ知ってたのか。なら話しが早い……と、言いたいところだが、これはお前らのとこのテンプレとは違うんだよ」

「て、テンプレ? なんですか……それ?」

「あー……今のなし。忘れてくれ。いちいち説明してる時間ないんだよなこれ。ちなみにあと五分」

「え!? 時間制限!? な、なにがどうなって……」

 意味がわからない単語の後に、まさかの時間制限発言で彼の頭は爆発寸前だった。
 もし、この場に居合わせたのが彼の友人だったら一瞬で状況を理解し、壮大に「オリ主ktkr!!」とか「テンプレキター!!」とか言って大はしゃぎするだろう。

「まぁ一端落ち着けよ。今からわかりやすくざっくりと説明してやるから」

「……わかりました。お願いします」

「おうよ。それと質問は後にしてくれよ? マジで時間ないから」



*****



 黒い球体……ではなく神様からの説明をまとめるとこうだった。

 1『最高神が人間界で流行っている転生小説に興味を持ち、自分達もやってみようと提案』

 2『しかし小説と違って手違いで殺すことは全くない。だからといって適当に殺す訳にもいかないので、話し合いの結果合意のもとで転生させることに決定』

 3『ただし転生させる前に必ず特典チートを持たせること。戦闘物は勿論、日常物の世界も例外ではない』

 と、ざっとまとめるとこうだった。

「ということは……死んだんじゃなくて、誘拐されたんですね」

「確かに死んでないが、誘拐って……もっと他に言葉があるだろう。召喚されたとか」

(良かった。本っっ当に良かった!! 俺はまだ死んでない!! 生きてるって素晴らしい!!!!)

 神様がもっと違う言い方があ
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